LPガス料金の実態調査開始

経済産業省資源エネルギー庁は、賃貸住宅の入居者が支払うプロパンガス(以下、LPガス)利用料金に関する実態調査を開始した。調査対象は入居者と賃貸管理会社、家主などだ。賃貸住宅では、LPガス販売会社(以下、ガス会社)が家主の代わりに負担した住宅設備費用を、ガス利用料に上乗せして消費者に請求するケースが多い。エネルギー庁では適切な説明や料金開示を行い、入居者が納得してガス料金を支払っているか調査し、是正を促していく。


同調査は9月25日に開始した。ガス会社が負担した設備設置費用の分だけガス料金が高く設定され、高い料金を支払っている理由を知らない入居者から苦情が発生している状況を把握するためだ。
LPガス利用料金については2017年6月に液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律が改正している。以後、LPガス料金の透明化を徹底することがガス会社に求められているが、ガス会社の多くは自社の標準的な料金メニューを一般に公表していなかった。そのため、エネルギー庁は18年2月に「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針」(以下、取引適正化ガイドライン)を改訂した。取引適正化ガイドラインではガス会社に対し、自社の標準的な料金メニュー等を店頭やホームページで公表することを求めている。
エネルギー庁は、ガス料金の公表状況を定期的に調査している。18年3月時点では、ガス会社が店頭もしくはホームページのいずれかで、ガス料金を公表している割合は、全国の総販売戸数の64.2%だった。17年3月が37.6%だったことから、料金を公開しているガス会社は増えている。しかし、「公表するガス会社が増えても、実際に支払っているガス料金について消費者が理解していなければ透明化したとは言えない」と考え、今回初めて消費者側の実態調査に至った。
LPガスの利用については、ガス会社と入居者の2者で契約を交わすため、不動産会社やオーナーが関係ないはずだ。しかし、LPガスを導入している賃貸住宅では、ガス会社が供給先を増やすために、住宅設備の設置費用を家主の代わりに負担することがある。給湯器やシステムキッチンなどのガスを使う設備にとどまらず、エアコンやテレビモニターフォンなどを無償提供する会社もある。
「これは啓もう活動を兼ねた調査と位置づけている。アンケート調査を通し、十分な説明を受けずに高い料金を払っていないか消費者にも関心を持ってもらい、ガス料金の透明化を進めたい」とエネルギー庁の担当者は語る。エネルギー庁は調査結果を19年3月に公表する予定だ。
アンケート調査によって、入居者に設備設置費用が上乗せされた高いガス料金を支払っている事実が周知されていく可能性がある。ガス会社の変更ができない入居者は納得できなければ、家主や管理会社にクレームを入れたり、退去したりすることも考えられる。

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