経済同友会、民泊新法に意見

経済同友会は15日、住宅宿泊事業法(民泊新法)に関して過剰な規制が民泊業界の発展を阻害していると、改善を求める意見を公開した。9月28日時点で事業者の登録数は9607件、うち受理済み件数は8199件で低水準であると判断。営業日数の制限や地方自治体の条例による上乗せ規制を見直すように求めている。
意見を公開したのは経済同友会の新産業革命と規制・法制改革委員会。要点は5つ。業法ではなく住宅提供者のスキルによるサービス保証をすること、年間営業日数の規制緩和、適用する消防法の緩和、地方自治体の条例による上乗せ規制の抑制、そして運用面の改善だ。


営業日数に関しては、「制限なしに住宅で宿泊サービスを行うと住宅として使用されているとは言えないのではないか、という議論から日数制限を設けたと考えられるが1年の約半分を上限とする根拠は曖昧である」と否定した上で、改革案を提案する。「さまざまなタイプの民泊施設があるなかで、民泊サービスの年間提供日数を画一的に180日に定めるべきではない」「住宅提供者と利用者との交流という民泊の魅力を最大限提供することが期待できる家主居住型、および家主不在型でも住宅提供者による実質的管理が可能な民泊は上限を撤廃すべき」と提示した。
加えて、運用面では、届け出手続きの簡素化や原則オンライン化を求めた。仲介サイトに虚偽の届け出番号を提示し合法運営と見せかける事業者がいることから、届け出番号の真正性を確認するために、地方自治体と民泊仲介業者のシステムを連携する必要があると示した。
賃貸業界では空室の新たな活用法として民泊新法に期待する声もあったが年間180日しか営業できないことや登録手続きが煩雑なため、参入企業が少ないのが実情だ。首都圏では多くの自治体が平日や住居地域での営業を条例によって規制していることも高い障壁になっている。マンスリーと民泊新法を併用し、より高い収益を得ようと模索する管理会社もあるが、地方の大手管理会社の中には自治体に国家戦略特区の取得を働きかけている企業もある。民泊新法に比べて制限が少ないためだ。国家戦略特区に認定されると、地域を限定して旅館業法を規制緩和することで、「特区民泊」と呼ばれる独自ルールで宿泊事業を行うことができる。現在、東京都大田区、大阪府、大阪市、福岡県北九州市、新潟市、千葉市が特区民泊として営業をできる地域だ。
今回の意見公開について観光庁は「指摘は真摯に受け止めている。180日の営業日数制限は法律の根幹になるため、すぐに変えることは難しいが、運用面の改善と合わせて検討していきたい」とコメントした。自治体の条例による上乗せ規制に関しては、特に手続きの面で添付資料を省くなど、自治体に改善を要求している。
民泊の各種手続きをサポートする日本橋くるみ行政書士事務所(東京都中央区)の石井くるみ代表は「自治体によってはかなり煩雑な手続きが必要になっているのは問題だ」と指摘する。
民泊運営代行・仲介事業の楽天LIFULLSTAY(東京都千代田区)の太田宗克社長は「180日規制があることで物件の民泊活用をあきらめるオーナーが多いのも事実だ。自治体の手続についても改善の余地があるとの声を聞いている。将来的な規制の見直しを検討していただきたい」と同調している。

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