• HOME
  • 企業
  • 大阪万博決定、宿泊事業拡大の動き

大阪万博決定、宿泊事業拡大の動き

2025年の大阪万博開催が決まり、地元不動産会社からは外国人向けの宿泊事業拡大の期待が高まる。
海外投資家に民泊物件を販売するインバウンドビジネスに商機を見いだす一方、過熱感を懸念する声も上がった。
開催が決まった大阪万博の開催地は大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)だ。一部がコンテナ施設として使われている埋め立て地に会場をつくる。
地下鉄中央線を延伸し会場までつなげ交通網の整備も行っていく。開催期間は25年5月3日~11月3日の185日間を予定。想定来場人数は約2800万人。
大阪万博の開催は不動産マーケットにどのような影響を及ぼすのだろうか。地元の不動産会社が注目するのは外国人観光客の宿泊ビジネスだ。
この2年間で大阪の外国人観光客数は急増している。15年の716万人から、17年には1110万人と55%増加した。万博開催は宿泊事業にさらなる追い風になる。
宿泊の受け入れ先として特区民泊の供給に拍車がかかりそうだ。特区民泊とは最低宿泊日数を2泊3日として、自治体の認定を受け運用するもの。
特に大阪市の特区民泊物件は急激に数が増えており、9月30日時点で認定数は3806室。1年前の719室から5倍以上になった。


管理・仲介を行うエステートトーワ(大阪市)の水野達司取締役は、今回の万博開催により「これまでの不人気エリアの賃貸住宅の民泊需要が高まるだろう」と話す。
夢洲のある大阪市此花区は、市内中心部への交通利便性の悪さから、空き家率の高止まりが問題となっている。
放置されている築古物件を来場客に向けた民泊に転用すれば活用法は広がる。同社は管理が柱だったが、今後は、インバウンドを見越した宿泊事業にも目を向けていく方針だ。
6500戸管理する和社(同)の阪上豊取締役もまた「管理物件の民泊利用数の増加が見込める」と意欲的だ。すでに、民泊運用代行会社から物件活用の問い合わせが多く入っている。今後は市内で不動産業を展開する外国人の事業者と提携し、外国人向けシェアハウスや、マンスリー物件の供給を増やしていくという。
収益不動産の開発や再販を行うリーガル不動産(同)は、1月に京都市内でホテルを開発。関西で増える外国人観光客をターゲットにビジネス展開を行っている。
平野哲司社長は「これまで上り調子だった大阪の不動産市況に拍車がかかる」と話す。同社では、ホテルや民泊物件の開発を進め事業拡大を図る。
外国人投資家の関心も集まる。外国人向けに賃貸住宅や投資用不動産の情報掲載を行うリアルエステートジャパン(東京都港区)の運営するサイト『RealEstateJapan(リアルエステートジャパン)』は万博決定後に閲覧数が通常より10%増えた。
特に、大阪の物件閲覧数や大阪関連の英語記事の閲覧数が14%増加した。
ダイワホームズ(兵庫県川西市)はアジア圏の投資家向けに大阪市内の民泊物件の販売を強化する。11月30日に香港で行われた投資家向けのイベントに出展。
築古の戸建てや賃貸マンションを売買し希望があればサブリースする。
山田輝昭社長は「観光客のニーズがあるのは観光の拠点にしやすい心斎橋や難波など市内の中心部。
ただ、場所によっては土地の値段が5年前に比べ倍以上になっており過熱感がある。
投資家の収益が上げられるよう開発時点から民泊代行会社の選定に関わるなどコンサル事業を進める」と話した。各社、大阪万博を商機とみなし事業に組み込む構えだ。

関連記事