来店や契約のキャンセル発生

2018年12月に北海道札幌市の『アパマンショップ平岸駅前店』で発生した消臭スプレー爆発事件の影響が賃貸業界に広がっている。
アパマンショップ加盟店では事故直後、来店予約や契約のキャンセルが発生し、入居者やオーナーからの問い合わせ対応に追われた。
同事故の影響で賃貸借契約の付帯商品の一種である消臭抗菌のサービス提供を休止している不動産会社がある。
事故発生店舗を運営するアパマンショップリーシング北海道(以下、リーシング北海道‥北海道札幌市)の親会社APAMAN(アパマン‥東京都千代田区)では事故原因について詳細な情報を公表していない。
再発防止や業界の信頼回復のためにも、原因究明は急務だ。
「繁忙期前で消臭抗菌剤を大量に仕入れたばかりなのに、店舗で積極的に販売できない」と語るのはアパマンショップ加盟店社長だ。
同社は、今回爆発事故の原因となった消臭除菌スプレー『ヘヤッシュ』以外の商品を取り扱っている。
爆発事故直後の記者会見でリーシング北海道の佐藤大生社長が、120本の未使用スプレーを一度に散布したことと120本の中には顧客に散布することを条件に販売しておきながら未施工だったスプレーが含まれている実態を明らかにした。
未施工の在庫を隠すために、120本を処分したかどうかについては言及していない。
しかし、各社の報道では、この件が大きく取り上げられ、賃貸契約時に消臭除菌サービスなどを販売する不動産会社に対し消費者が不信感を抱くことになってしまった。
「当社は必ず施工をして作業完了の証明を室内に掲示するなど、まっとうに業務を行っていたのに遺憾だ。
一緒にされたくはない」と前述の不動会社社長は憤りを感じていた。


九州の加盟店の中には爆発事故を理由に賃貸借契約のキャンセルが2件出た会社もある。
1月からの入居が決まっていた学生向けのアパートで、借主である親が爆発事故を理由に契約解除を申し出た。
加えて入居の申し込み後に審査が通り契約間近だった案件や申込み直後の案件がキャンセルされた。
関東の加盟店では、事故発生後の1週間で20件の来店予約がキャンセルになった。
「通常キャンセルは週に1件あるかないか。事故の影響と考えられる」と担当者は語る。
キャンセルした顧客は日程を改めることはなく、来店しないままだ。
他地域の加盟店でも12月中は同様に来店のキャンセルや、オーナーと既存入居者からの問い合わせがあったという。
「年明けの集客に目立った落ち込みはないようだが、社宅代行サービス会社からの法人契約の案件が減ってしまうのではないか」と不安を抱える加盟店店長もいた。
一方で、早々に対策を打つ不動産会社も出てきている。
専門業者による室内消毒や不動産スタッフによる施工の様子を紹介する動画や写真を、店舗やホームページなどで発信している。
消臭抗菌剤の成分や取扱注意点、正しい散布方法、適切なセールストークを学ぼうと、メーカーや販売会社に問い合わせている不動産会社もある。
今後、賃貸営業スタッフが付帯商品を販売する姿勢を見直す機会になりそうだ。

関連記事