• HOME
  • 特集
  • 【2019年の賃貸業界を先読み②】スルガ問題は家主の救済に焦点。金融ADR殺到で経営不安も

【2019年の賃貸業界を先読み②】スルガ問題は家主の救済に焦点。金融ADR殺到で経営不安も


去年、社会をにぎわせたのがスルガ銀行の投資用シェアハウスの不正融資問題だ。
地銀の優等生が住んでいたのは砂上の楼閣だった。


本紙でも力を入れて取材を進めてきたが、家主の救済はまだ宙に浮いたまま。
スルガ銀行は金融ADRにより、借入元本の減免にも応じるとしているが、実現した案件はまだないようだ。


サブリース会社が倒産したシェアハウスオーナー260人から委任を受けるスルガ銀行スマートデイズ被害弁護団もあっせんの申し立てを行ったが事態は進展せず、今年の3月を目標に事態の解決を目指すという。

同弁護団が主張する担保のシェアハウスを銀行に渡す代わりに借り入れを白紙化する主張を実現したいという。
もともと昨年中に解決したかったがスルガ銀行が一度一方的に直接交渉を止めるなど中断時期があった。


「スルガ銀行の対応には真摯(しんし)さが感じられない」と憤るオーナーも多い。

他の同じように倒産したサブリース会社の案件でスルガ銀行相手に金融ADRを進めようとしている弁護士からは「元本減免が一気にでてきてしまうとスルガ銀行が経営破綻するかもしれない」と危惧する声も上がっている。

与信資料の改ざんなど不正が多くあったシェアハウス関連融資は2000億円に上る。もし仮にこのうち元本が3割カットになると600億円に近い損失になる。

自己資本が19年3月期で約2700億円。自己資本比率は6・3%。
もし、600億円減るとその割合は4・7%にまで減り、場合によっては国内で銀行業務を行う基準の4%さえ危ぶまれてくる可能性もある。


そうなると借入元本の減免を求めて我先にと、家主による金融ADRの申し立てが殺到しそうだ。
今年はスルガ問題がどのような着地点を見つけるのかにも注目だ。


収益不動産の販売会社は冬の時代を迎えている。

年収1000万円以上の医者や経営者に一棟物のアパートやマンションを販売していたある会社では「融資が半分は通らなくなった」とため息をついている。

別の会社も、これまで3割を占めていたサラリーマンから、資産を持つ富裕層向けの営業に専念すると方向転換した。


オーナーの中には「ゆっくり買いたい物件を選べるようになった」と喜ぶ声も上がっているよ。

ここ数年は収益物件が1日でもたつとすぐに他の買い手に取られ、じっくり精査する時間の余裕がなかったのが他の物件とも比べられるようになったという。

売れ残りは指し値がしやすくなっているとの話も出ている。
今のような投資環境下では、現金資産を持っていること、担保があるという2つの条件を満たす投資家にとっては追い風になるだろうね。


TATERU(タテル‥東京都渋谷区)の営業社員による与信資料の改ざんもインパクトがあった。
結局350件の不正行為があった。

毎年、前年よりも150~200棟も上積みしたアパートの販売目標数値を立てていたという。

こちらもノルマ主義が営業社員に不正までしても売らせるという土壌を生み出してしまったようだ。


営業を自粛しているとの発表があったけど、某収益不動産情報メディアで、子会社が簡易宿所を平均利回り9%で販売する広告を打っている。こちらは大丈夫なのかな。

別の社名で売れば問題ないという認識なのか。子会社の事業内容を見てみると土地をマッチングして1棟物のアパートを販売する親会社と同じビジネスモデル。

会社の名前を変えては同じようにシェアハウスを売り続けていたスマートデイズの姿と重なってしまう。まずは社内のコンプライアンス体制を確立することが優先なはずだ。

関連記事