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【2019年の賃貸業界を先読み④】残業時間削減の対応急務。業務効率化にAIが活躍


平成が終わる前に、賃貸業界にとっても影響の大きな法施行がいくつかある。
1つは働き方改革関連法だ。

まずは大企業が対象になるが、来年は中小企業にも範囲が広がる。
賃貸業界は、仲介・管理ともに繁忙期に仕事が集中し、さらに人材不足にも苦しんでいる。同法では、残業時間が単月で100時間を超えると、罰則がつけられる。
当然労基署の監視の目も厳しくなるだろう。

労働集約型の業界の働き方をどう変えていくか、経営者がもっとも頭を悩ませている話題だ。


すでに動きだし、業務効率化に成功していた仲介会社に共通するのは分業化。

特にポータルサイトへの物件情報の登録業務を、専門部署を立ち上げパートスタッフに任せて営業社員の負担を減らしていた。


不動産テックの導入も重要になっている。特に管理業では、空室確認や内見予約をシステム上で完結するようにしている。

今まで電話やファックスなど、かならず管理会社のスタッフが間に入る必要があった業務が大幅に削減され、土日に置いているスタッフを今年から置かなくても済むようにするという会社もある。


AIの活用も本格的に始まっているようだね。


東急住宅リース(東京都新宿区)では、RPAというロボットがパソコン上の単純作業を学習し、人に代わって自動で行うシステムを取り入れ効果を上げています。

年間3100時間の業務が削減されたという。

大東建託リーシング(東京都港区)は、ポータルサイトへの写真の入稿作業をAIが自動で振り分けするシステムを採用し、1年でなんと3万6000時間の業務が減る計算だそうだ。

スタッフのキャリアアップにつながりにくい単純作業はAIやロボットが行っていく流れはさらに加速化していくだろう。


管理業の法制化も視野に入ってきて、これから業界で一致団結して取り組んでいかなければいけないのは、働き手が誇りを持てる業界、会社づくりだ。

そのために大事なのは、自分たちの仕事が社会に貢献しているという実感や、成長が感じられる仕事を経営者が提供していくということだろう。


最近は、社員のブランディングに力を入れる不動産会社も増えてきたね。

金沢を中心に1万6500戸管理するクラスコ(石川県金沢市)では、自社のサービスについて大勢の前でプレゼンテーションをする場を作っている。

社内でチームをつくり、新事業のアイデアコンテストの発表会と表彰式を開催している。
実際に実現した家具の販売事業では、社長が知らぬうちに事業が動きだしていて驚いた、という話も上がっていた。

やらされ仕事ではなく、会社の中で自分のやりたい仕事を見つけるというのも重要だね。


そのためには適材適所もカギだ。
以前に取材をして興味深かったのが、5500戸管理するアーバン企画開発(神奈川県川崎市)の新入社員の話。

管理で大変なのは、クレーム対応で、入居者の愚痴を何時間も聞くハメになる、なんてこともザラだ。
同社では入社して最初に配属されるのが入居者対応の部署だ。部署異動の時期になっても同じ仕事を続けたい新入社員がいたという。

スタッフによっては、困っている人の役に立っている実感があることがモチベーションアップにつながる。
やりがいや誇りを持てる部分は十人十色。
経営陣が人材の適性を見極めたうえで、どのような業務を任せていくかを判断することだろう。


業界がもっと賃貸住宅ビジネスの面白さについて情報発信をしていくべきだ。
賃貸住宅は、街づくりから、「住まい」という社会の生活インフラ整備まで幅広い役割を担っている。

以前、コミュニティ賃貸を提供するグローバルエージェンツ(東京都渋谷区)の物件に住む入居者が「この物件に住んだことで自分の夢を見つけ、実現できた」と話していたのが印象的だった。

起業家や漫画家を目指す人のためのシェアハウスも増えてきたけど、賃貸住宅という場を通して、入居者同士や地域とのコミュニティから何かを生み出せる可能性がある。

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