法人客、都心でレオパレス敬遠

法人借主が、アパートの施工不備問題を抱えるレオパレス21(東京都中野区)の物件を解約して他社管理物件を探す傾向が顕著になってきた。
法人専門の賃貸仲介会社によると、これまでレオパレスの物件を借りていた企業が、都内で別の家具家電付きマンスリー物件120戸を契約した。
社員が住む住宅の安全面を考慮し、レオパレス施工物件を避けたいと要望する企業が増えている。
一方、地方郊外では家具家電付き物件の供給が少なく、企業はレオパレスを借りざるを得ない状況が続いているようだ。
「新入社員研修で都内のマンスリー物件を数十戸借りている企業が、今年からレオパレスの利用をやめた」と語るのは、法人専門の仲介会社社長だ。
同社はこれまでレオパレス物件を契約していた複数の企業から、レオパレス以外の施工・管理物件を借りたいとの要望を受けてきた。
繁忙期に入り、社員の転勤や新入社員の住宅確保が差し迫り、レオパレス物件を解約して他社物件を探す動きが顕著になったという。
「新入社員用の住宅だと特に企業はレオパレスを避ける」(法人専門の仲介会社社長)。
レオパレスの施工不備問題は広く報道されたため、研修期間にレオパレス物件を会社が用意するとなると社員の保護者の印象が悪くなり内定辞退や早期退職につながりかねないためだ。


ただ、需要に比べ家具家電付きのマンスリー物件の供給が少ないのが課題になっている。同社では、一般の賃貸住宅をマンスリー運営会社に借り上げてもらい家具家電を設置した状態で法人に貸す対応をしている。
「レオパレス物件の解約を希望する法人に、物件を紹介してほしいと大手社宅代行会社に依頼された」と話すマンスリー運営会社の声もあった。
2018年4月に社宅事業を立ち上げた大東建託(東京都港区)にも法人からの問い合せが増えている。
担当者によると営業を強化しているため、そのうちどの程度が施工不備の影響かは不明だが、現場にはレオパレスの物件を退去したいという法人から依頼があると聞いているという。
都内に本社を置く仲介会社は、レオパレス物件を年間500戸程度借りている法人から相談を受けた。
すぐに転居をした方がいいのか、代わりの部屋はあるか、レオパレスが事業停止した場合に借り主のリスクはあるか、などを聞かれた。
部屋を多く借りている企業の場合は一気に転居することが難しいため、徐々に他社物件に移行しているようだ。
十数社の法人からレオパレス物件に代わる部屋探しを依頼されたという首都圏の仲介会社もあった。
ただレオパレスに比べ、家賃が高く、敷金などの初期費用が高くなってしまうケースが多く、「企業の要望に合う物件探しに手間がかかった」と語る。
レオパレスは敷金礼金や仲介手数料がかからないため、企業は費用面から他社のマンスリーマンションの利用に難色を示している。
九州で法人仲介を行う不動産会社は、「地方郊外には家具家電付きの部屋がなく、企業はレオパレス物件を借り続けているしかない状況」と語る。
仲介できるのは点検済みや施工不備が見つかっていないシリーズのアパートだが、東海エリアで法人仲介をする不動産会社は、「企業は不安視しながらレオパレスの物件を借り続ける」と語る。

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