企業研究vol.005 佐渡島隆平 社長

スマートフォンやタブレットで遠隔地の映像を確認できるクラウドカメラ。
セーフィーは、2015年5月にクラウドカメラを介したプラットフォームサービス『Safie』の提供を開始し、不動産、建設、小売りなどの業界で大手企業にも導入されている。
「映像から未来をつくる」という会社ビジョンのもと、これまでカメラに求められてきた「防犯」という役割を超え、さまざまな事業分野で業務効率化やサービス向上を実現している。

映像で課題を解決

――クラウドカメラにはどのようなニーズがありますか。
佐渡島 飲食や小売りの店舗、建設現場、宿泊施設などさまざまな分野で導入されており、活用の仕方も多様です。
アパレル店では防犯の目的から導入されましたが、今は、朝方の荷受け業務で活用されています。
以前は荷受け専用のスタッフがトラックの到着を待っていましたが、カメラを設置することで運送会社に鍵を渡すことができ、納入まで任せています。
大手ファーストフード店では、スタッフが商品をどのくらいの時間で提供しているのかを把握するために設置しており、オペレーションの改善につなげています。
建設現場でも使われており、一日の作業終了時に映像確認をすることで報告業務を簡略化しています。

――映像が現場の課題解決につながっていますね。
佐渡島 サービスの提案時に想定できる活用方法を伝えることもありますが、導入事例などを説明すると、お客さまの方から「こんなことに使えるかも」と課題解決に対するアイデアを話されることが少なくありません。
防犯という役割を超え、「業務効率」や「サービス向上」という付加価値につながっています。
先ほどの例だと、アパレルは人件費削減、ファーストフード店ではサービス向上、建設現場ではレポートレス化に加えて施工の品質チェックも可能にしています。

P1.jpgカメラの映像をスマホで確認できる

――導入数はどのくらいですか。
佐渡島 これまでの出荷台数は3万5000台です。
当社がカメラのOSを作り、エルモやキヤノンなどのメーカーに提供しています。対応カメラは1000種類以上、販売代理店は100社以上となります。
主要シンクタンクは2020年までに世の中のカメラの15%がクラウド化すると推測しています。
現在はクラウドカメラのうち3割のシェアを当社が占めています。
一時はいろいろな会社がクラウドサービスを提供し始めましたが、映像の品質とコスト面で優位性を発揮でき、彼らを味方に付けることができました。
導入先の事業分野、企業規模も広がり、オセロの四隅を押さえることができたと思っています。
特に大企業では試験導入が終わり、既存店舗への一斉導入が始まる段階です。
5日には音楽配信やIoTプラットフォーム事業を手がけるUSENとの協業を発表し、マーケティングや業務効率を支援するサービスを始めました。
『Safie』の提供開始は2015年5月で、18年2月時点の出荷台数が1万台ですから、この一年を見ても加速度的に増えています。

――今後はどのようなサービスを展開していきますか。
佐渡島 住宅分野では、建物の状態、例えばごみ捨て場が汚れていないかなどを現場に行かずスマートフォンなどで簡単に確認できます。
顔認証システムを活用すればゴミ出しのルールを守らない人も特定できるので、直接注意喚起ができ、管理人が出向く手間も削れます。
このような管理の工数削減のほか、顔認証システムで入居者を特定できるという点で、当社のサービスを導入している大京では鍵がなくてもエントランスロックを解除するサービスを今後提供していく予定です。
12日にはウエアラブルカメラもリリースします。胸ポケットなどに装着できるカメラですが、例えば建設現場では作業員の手元の映像を記録できます。監理者はリアルタイムで指示ができるほか、今後も増えるであろう外国人作業員からの報告も映像で済ませることができます。
今後も映像を使って、意思決定に役立つ情報を提供していきます。
(続きは本誌で)

P2.jpg「労働時間」ではなく社員の「成果」を評価している

【会社概要】
社名:セーフィー
住所:東京都品川区西五反田 2-29-5 日幸五反田ビル6階
設立:2014年10月23日
資本金:1億円
従業員数:60人
業務内容:クラウド型カメラセキュリティープラットフォーム『Safie』の運営、ハードウエアメーカーへのソリューション提供

【会社メモ】
2015年5月に個人向け、7月に事業用のクラウドサービスをリリース。
飲食・小売店や建設現場での利用など活用の幅を広げ、18年10月には出荷台数3万台を超えクラウドカメラ市場の3割超のシェアを獲得。
「映像から未来をつくる」というビジョンのもと、生産性の向上や人手不足などの解決に役立つ映像活用を推進している。

【社長メモ】
佐渡島 隆平社長
1979年生まれ。
大学在学中の99年にDaigakunote.comを創業。
2002年にソニーネットワークコミュニケーションズに入社後、同社が出資するモーションポートレートのCMOに就任。
14年にセーフィーを創業し、18年には「クラウド録画サービスシェアNo.1」の獲得や、Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング」みずほ賞を受賞。

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