• HOME
  • 事件
  • 「意図を持って組織的に」 レオパレス施工不備に元社長指示の疑い

「意図を持って組織的に」 レオパレス施工不備に元社長指示の疑い

建築したアパートに施工不備が見つかったレオパレス21(東京都中野区)は18日、外部調査委員会の中間報告を開示した。
中間報告では一連の施工不備に関して、意図を持って組織的に行われていた疑いがあるとした。
当時社長だった深山祐助氏の直轄部署だった商品開発部門が、法令や品質を軽視していたと指摘した。
レオパレスは2018年4、5月に185棟で、19年2月に1324棟で施工不備が発覚したと公表したが、組織的な関与の可能性が調査委員会の報告で明らかになった。
施工不備の内容は大きく4つある。
(1)小屋裏または天井裏において界壁を施工していないなどの「小屋裏等界壁問題」。
(2)界壁の内部充填材に設計図書に記載されたグラスウールまたはロックウールではなく、発泡ウレタンを使用していた「界壁発泡ウレタン問題」。
(3)外壁が設計図書に記載された国土交通大臣認定の仕様に適合していなかった「外壁仕様問題」。
(4)天井部の施工仕上げが設計図書に記載された国土交通省告示の仕様に適合していなかった「天井部問題」。
2月27日に設置された外部調査員会では、25人の関係者に計31回のヒアリングを実施し、関係資料の精査を行った。


(1)「小屋裏等界壁問題」に関しては、物件の開発・施工の態勢のずさん・脆弱(ぜいじゃく)さだけでなく、意図を持って組織的に行われていた疑いがある。加えて、当時の商品開発における法規適合性判断や施工時のチェック等の態勢面等も問題だと指摘。さらに、12年ごろ、レオパレスと家主の民事訴訟において、家主が所有するアパートに小屋裏等界壁が施工されていないことが指摘されているため、同社が18年に別の家主に指摘を受ける以前から小屋裏等界壁問題を認識していた可能性がある。
(2)「界壁発泡ウレタン問題」に関する重要な問題点は、界壁の内部充填材に発泡ウレタンを使用することで遮音性が基準値を満たしていない可能性がある点だ。発泡ウレタンの使用は、当時の社長からのトップダウンの指示だったことが明らかになった。開発段階で十分な性能試験が行われていなかった疑いも出てきた。
(3)「外壁仕様問題」に関しても、15年5月から18年7月にかけて、外壁の内部充填剤に発泡ウレタンを使用した物件について改修工事の稟議申請をしていることから、同社が以前より施工不備を認識していた疑いがある。
(4)「天井部問題」では、一部の図面で、どのような施工仕上げとするのか誤解を招くような表記があったという。
一連の問題に対し、工期の短縮や施工業務の効率化が求められていたことなどが不備に大きく関係していたと考えられる。
外部調査委員会は5月下旬をめどに、原因分析、再発防止策の提言、関係する役員の責任について調査結果を公表する予定だ。
レオパレス21の創業者である深山祐助氏は2006年にレオパレスの社長を退任している。入居者から徴収した金額の一部を会社の売上から除外し、不動産購入のために私的流用した問題の責任を取るために辞任を自ら申し出た。その際同社は「深山祐助社長の独断専行から物事が進められ、それに対して十分な監督機能を発揮していなかった取締役会の怠慢にあった」と改善措置の必要性を示している。
深山祐助氏は現在、収益不動産を販売するMDI(東京都中央区)の代表取締役会長を務めている。資産家や地主に立地条件のいい土地を仲介し、アパート建築受注を請け負うビジネスモデルで成長を続けた。本紙の賃貸住宅着工数ランキングではここ数年上位にランクイン。首都圏から全国の主要都市に営業エリアを広げている。またMDIにはレオパレスの元社員や役員が複数人勤めている。
MDIに深山祐助氏のレオパレス施工不備問題に対して取材を申し入れたが、「コメントは差し控える」と回答があった。
レオパレスが18日に開いた記者会見では深山英世社長は出席せず、報道陣から祐助氏に関する質問があったが「調査中」と答えた。
国土交通省は大手アパート建築会社に対して、建築プロセスや工事監理の実態調査を3月末までに始めるとしており、業界内に影響が広がっている。

関連記事