79%が働き方改革へ取り組み

 4月から施行された働き方改革関連法において、時間外労働の上限規制や有給休暇の取得義務化が盛り込まれた。本紙は賃貸管理会社を対象に、働き方改革に関する調査を実施、回答企業の約8割がすでに取り組んでいることが明らかになった。具体的な取り組み内容としては、トップが「有給休暇取得日数の増加」となり、次いで「残業時間の削減」が回答に上がった。中小企業は2020年4月から対象となり、賃貸業界においても労働環境の整備に待ったなしの状況だ。
 本紙は4月3日~15日にかけ、全国の不動産会社約2000社を対象に働き方改革に関するアンケート調査を行い、259社から回答を得た。
 働き方改革の取り組みをしているかとの問いに対し、79%にあたる205社が「取り組んでいる」と回答した(グラフ1参照)。企業規模別にみると、従業員101人以上では、約95%で取り組みを行っており、従業員数6~100人では約80%、1~5人では50%と、企業規模が大きいほど、取り組みが進んでいた。
 働き方改革の取り組み内容として、「有給休暇日数取得数の増加」が最も多く141社、次いで「残業時間の削減」が131社、「年間休日取得数の増加」が95社と続いた(グラフ2参照)。 働き方改革を実現するための取り組み内容としては、「IT活用による業務効率化」が最多で112社、次いで「パート・アルバイト活用による業務負担削減」が78社、「外部委託による業務負担削減」が69社となり、そのほか、58社が「営業時間を短縮している」と回答した。


 現在、取り組んでいないと回答した54社のうちでも、21社が2020年4月までに取り組みを開始すると回答した。開始時期としては19年6月から開始する企業が8社で最多。今夏から秋に開始する傾向があった。
 取り組んでいない企業においては、すでに以前から労働環境の改善を進めていると回答した企業が7社あった。その反面、「家族経営のため」、「様子を見る」、「必要なし」といった理由から、現段階で取り組む予定がない企業は6社だった。
 正社員の月平均残業時間をみると、0~20時間が最も多く、150社、21~40時間が60社、41時間以上が10社だった(グラフ3参照)。年間有給取得平均日数では、0~5日が118社で最多。6~10日は92社、11~15日が15社、16~20日が10社、21日以上が2社だった。
 働き方改革関連法では、残業時間の上限は、原則として月45時間、年360時間で、特別の事情がない限り、これを超えることはできない。また、年5日の有給休暇を労働者に取得させることが使用者の義務となる。
 賃貸管理業は労働集約型で、特に繁忙期は業務が集中し労働環境が良い業界とは決して言えない状況にあった。しかし、国が進める働き方改革の動きを受け、不動産会社も変わらなければならない時代になっている。 賃貸業界では、今後、ますます深刻化する労働者不足への対応が急務だ。労働環境の整備と生産性向上を両立するために、IT活用や分業による業務効率化の推進が必須になりつつある。

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