企業研究vol.016 橋本 太樹 社長

入居者と地域をつなぐ街づくり企業

魅力ある地域づくりに貢献したいという橋本社長

 埼玉県朝霞市、志木市、和光市、新座市を中心に約1万4000戸を管理する。東武東上線沿線を中心に賃貸管理、新築分譲、リフォームなど総合不動産事業を展開。地域密着の『ふるさとまちづくり企業』として、入居者が生活しやすい環境づくりに取り組んでいる。橋本太樹社長に聞いた。

約1万4000戸を管理 家主と共に課題解決

――まちづくり企業として、不動産業だけでなく、地域づくりに積極的に取り組むようになったのはなぜですか?

橋本 魅力のある地域づくりをしていかないと、そこに住む人も定着しません。まちづくりの会社として地域づくりに取り組むことで、管理物件の入居者にとっても、この地域がふるさとだと思ってもらえるようになります。そのために地域での人と人とのつながりや、イベントを大事にしています。
企業1社だけでは限界があるので、他のいろいろな企業と団体、行政というように、コミュニティーをつくって、つながりの輪を広げていきたいと思っています。イベントに対する姿勢にしてもただ『参加する』のではなく、自分たちが中核となって行うことを大事にしています。
 ボランティアではなく、事業の先行投資ということだけでもなく、地域の一員として一緒になってつくり上げていきたいです。ただ不動産業だけの会社としてではなく、コミュニティー形成やまちづくりといった地域のことを一緒にやっていくまちづくり企業になっていきたいと考えています。

――管理物件の入居者もコミュニティーに参加しやすいようにしているのですね。

橋本 管理物件の入居者向けの取り組みとして、ダイレクトメールを送付させていただいています。元々、朝霞などの地域の外から来る賃貸入居者にも、地域の、人と人とのつながりを感じてもらいたいと考えています。地域のイベントにも参加してもらって、コミュニティーに巻き込んでいくことができればと思っています。
本業である賃貸管理業の視点でいっても、地域のイベントなど普段から社員が入居者との顔が見えるような関係であれば、不要なクレームも自然と減らすことができます。結果として入居者に「住んで良かった」と思ってもらえるようになることが何より大事です。

――「住んで良かった」と思ってもらうための取り組みとしてはどんなものがありますか。

橋本 管理物件は朝霞、志木、和光、新座の4市に所在する分で6割を占めます。この4市は毎年約5000人のペースで人口が増加しています。社会問題となっている少子高齢化も、この地域には当てはまりません。日本全体として人口減少傾向であったとしても、全ての地域が過疎化するということではないのです。魅力ある地域であることが、少子化への対策にもなるのです。

そうした地域づくりをするためのポイントの一つは、安心して住むことができる、子育てができる環境であるかどうかだと思います。
取り組みの一つを例に挙げると、『ライブリーサロン』という子育てママを応援するサロンを朝霞台駅前に設置しています。子育て経験のあるスタッフが常駐して、初めての地域での子育てを応援する活動を行っています。ワークショップを開いたり、ママ友で貸し切りパーティーを行ったりと、主婦のニーズや考え方を取り入れながら、活用してもらっています。

ライブリーサロンの様子

――不動産会社がそこまで取り組みの範囲を広げているのは珍しいようにも思います。

橋本 会社としては、この4市の地域ではどこの不動産会社にも負けない、深く根差した取り組みを行っていきたいと考えています。
そのために何をやるかというと、入居者や家主のニーズに地域密着でこたえていきます。60年を超える会社の歴史で積み上げた信頼に加えて、新しい信頼関係を築いていきます。長くお付き合いいただいている家主や地主の方々の中には、ここ数年で世代交代しているところも出ています。地域的に農家を営んでいる家主も多く、話を伺うとやはり後継者が気になる課題として話題に上がることも多いです。それでは、と実際にカップリングパーティーも開いています。後継者となる世代の出会いを、お手伝いできればと、服装のアドバイスなどからサポートさせていただいています。

ベビーマッサージ教室

“管理会社だから問題を解決してあげる”という力技ではなく、家主と一緒に悩んで問題に取り組み、「永続繁栄」していけるようにすることが必要なのだと思います。祭りやイベントなどで地域の人とのつながり、絆づくりをしてきたことで、社員の中にもまちづくりへの使命感のようなものが育っていると感じています。イベントへの参加にも積極的で、そうした中で業務にもつながる仕事への気づきが出てくることがあります。
大手不動産会社の地域への参入もありますが、この地域では『やはりリゾンに頼む』という環境になるように、やはり根を深く下ろしていくことが大事だと考えています。

こちらは無料会員限定記事です
会員になると続きをお読みいただけます

関連記事