企業研究vol.018 渡邊 浩滋 所長

「大家さん専門税理士」をFC展開

「 賃貸経営で失敗する家主をゼロにすることが目標」と渡邊所長

 実家の大家業を引き継ぎ、空室対策や経営改善に取り組んだ経験から「大家さん専門税理士」として精力的に活動している。2018年には、全国の家主を救うべくFC展開を開始した。その経緯と今後の展望について渡邊浩滋所長に話を聞いた。

実家の大家業が大赤字立て直すため税理士兼大家に

――「大家さん専門税理士」として活動されていますが、業績はいかがでしょうか。

渡邊 開業9年目になりますが、おかげさまで顧問先数は450件を超え、業績は毎年右肩上がりで推移しています。このままではお客様の対応がしきれなくなると思い、昨年から新規の顧問先をストップしている状態です。もう何年も前から税理士業界は厳しいといわれていますし、ある調査ではAIの発展によって需要が無くなる職業ランキングのトップ10にも税理士が入っています。そこで生き残るためには差別化が必要になります。「大家さん専門税理士」を開業時から掲げ、業種特化という差別化を貫いていることが大きいと思います。

――開業当初から勝算はあったのでしょうか。

渡邊 私の父親は専業家主で、所有する物件の管理もしていました。それなりに裕福な生活をしていた感覚があるのですが、父が入院した際に借金取りが実家に来て私たち家族は驚きました。通帳や帳簿を調べてみると、家賃収入をまるごと生活費として使い放題使っていました。貯金は底をつき、借金もあって、固定資産税も払えないほど危機的状況に陥って破産寸前という状態でした。そこで親から経営を引き継ぎ、空室対策や経営改善に取り組みました。引き継いだのは5棟86室の賃貸アパートでしたが、10室以上が空室で年間手残りがマイナス200万円という状況でした。

そこで、新しい管理会社の開拓や、リフォームを施すなど経営と入居率の改善に励みました。その結果、1年後には入居率が97%を超え、収支は手残りがプラス1400万円の良好な経営状態に回復させることができました。
そういった大家としての苦労や税務経験があったので、勝算があったわけではありませんが、この分野だったら勝負することができるのではないかと思いました。

――相談する家主からしても気持ちを理解してもらえるのは心強いですね。

渡邊 そうですね。思うように収入を得られなかったり、空室や資金繰りに悩む家主の気持ちは、私自身も痛いほどわかります。そのうえで相談に乗れるのは、強みの一つになっていると思います。

全国の家主を救うためFCネットワークを構築中

全国を飛び回り講演を行っている

――「大家さん専門税理士」のFC展開を始めたそうですね。

渡邊 全国各地で講演を行っていますが、終了後に参加者から「うちの顧問税理士は、家主の立場になってアドバイスしてくれない」と聞かされるたびに、家主専門と掲げておきながら、私を必要としてくれている方にサービスを届けられていないというジレンマがありました。私自身が動けないのであれば、同じ志を持った仲間を募りサービスを届けようということで、昨年からFC展開を始めました。税理士向けに行っている講演で共感してくれた仲間が手を挙げてくれて、当事務所の他に東京都国立市、仙台、大阪、名古屋、福岡に拠点ができました。

――入会するための基準などはあるのでしょうか。

渡邊 入会金や年会費の他に、16時間の座学や、研修などのカリキュラムを受講していただくことになりますが、受講すれば誰でも入会できるわけではありません。家主に向き合って一緒に考え5年先、10年先でも付き合っていけるような信頼関係を築ける人間性が必要です。会自体の評判やサービスの質を下げてしまうことにもなりかねませんので、人間性を重要視しています。

ウェルカムボードで来所者を迎えるのはスタッフのアイデア

――今後の目標や展望をお聞かせください。

渡邊 拠点数や登録税理士数に関する目標はありません。必要としてくれているすべての方にサービスを届け、賃貸経営で失敗する家主をゼロにすることが目標です。10年以内に達成できるよう頑張ります。

こちらは無料会員限定記事です
会員になると続きをお読みいただけます

関連記事