企業研究vol.026 業天亮人 社長

Strobo(ストロボ)

インタビュー|2019年08月23日

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創業理念や展望について語ってくれた業天亮人社長

ホームセキュリティーを大衆化

「すべての住まいにホームセキュリティー」の目標を掲げ、誰でも気軽に利用できるスマートホームセキュリティーを提供しているStrobo(ストロボ:東京都文京区)。創業理念や今後の展望について業天亮人社長に話を聞いた。

日本から新しい家電メーカーを生み出したいとの思いから起業

――学生時代に起業されていますが、その動機をお聞かせください。

業天 私自身、工学部精密工学科出身のエンジニアということもあってソニーに憧れがありました。ソニーに続くような「新しい家電メーカーを再び日本から生み出したい」という夢もあり起業しました。しかし、日本には既に多くの家電メーカーが存在していたため、自分たちがプレイヤーとして製品の開発や販売を行うよりも、既存メーカーの製品のIT化を支援することで、新たなIoT製品を日本から生み出せるのではないかと感じていました。そのような背景もあり、既存メーカーのソフトウェア開発の部分や、IoT化する部分を支援する事業を創業当時は行っていました。

「好きなことを仕事にできていることが幸せ」と業天社長

――既存メーカーの支援業務から、自社製品の開発・販売に移行した理由は。

業天 創業から1年半ほどの期間、さまざまな企業の支援業務を行っていました。その中で試作品の開発や、その試作品を展示会で発表するまでの工程は比較的短期間で行えるのに対し、実際に製品化されて世の中に届けられるまでに結構な時間がかかるものだと感じていました。私たちはベンチャー企業ですので、長い時間をかけるだけの金銭的な体力もありませんので、経営的観点からもう少し早い時間軸でやっていく必要があると考えるようになりました。そのためには、自分たちの時間軸で進められる自社製品の開発をしていこうと方針を変更しました。

――製品を防犯関連に特化したのには理由があるのですか。

業天 企業としての規模や体力を考えた場合、総合家電メーカーのように製品群を幅広くということは難しいので、何か特定の分野に絞っていく必要がありました。分野を防犯に絞ったのは、住まいの不安というのは万国共通であり、特に海外の方が日本以上にニーズがあるということで目を向けました。

スマートホームセキュリティー『leafee』シリーズ製品群

――開発にあたり心掛けたことはありますか。

業天 既存のホームセキュリティーは高額なこともあり、新築の住居やオフィスなど加入できるのは限られた場所や家庭になります。私たちは誰もが気軽に利用できるようなホームセキュリティーを目指し開発を進めました。2016年12月に販売開始した『leafeemag(リーフィー・マグ)』は、扉や窓に貼りつけるだけで設置できるマグネットセンサーを活用した防犯グッズで、家中の戸締りの状況をスマートフォンで一括確認することができます。

防犯から見守りまでカバーするサービスを提供

――販売開始から2年半が経過しましたが、売れ行きはいかがですか。

業天 工具不要で設置も簡単。賃貸住宅でも後付け可能ということもあり、防犯意識の高い女性ユーザーを中心に多くの反響を得ており、販売個数が1万個を超えました。個人ユーザーだけでなく物件のバリューアップのため導入する不動産会社も増えてきた背景もあって、18年9月に賃貸管理会社向けサービス『leafee for賃貸』の提供を開始しました。こちらは、管理会社と入居者間のチャット機能や書類のやりとりが可能になるサービスです。こうしたサービスは入居者にアプリをダウンロードしてもらうハードルが高いのですが、防犯に関わるIoTサービスと一体化しているため高い利用率が期待できます。

――今後の製品開発や展望についてお聞かせください。

業天 7月に人感センサーを活用した新製品『leafee move(リーフィー・ムーブ)』の販売を開始しました。これまでのマグネットセンサーでは、ドアや窓の開閉、窓の鍵の戸締まりまでを確認できるという特徴があった一方で、ドア・窓のような開閉がない部分での防犯ができないという課題がありました。人感センサーの活用により、人の動きを感知させることでこれまで以上に防犯の範囲を広げることが可能になります。防犯という従来の用途に加え、子どもや高齢者見守り目的での利用にも最適です。今後も開発を進め「すべての住まいにホームセキュリティー」という目標を達成できるよう頑張ります。

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