企業研究vol.027 河内 道生 社長

店舗デザインの発想で賃貸住宅をリノベ

 「世に残る仕事を自身で創る」と決め、25歳のとき独立した河内道生社長。依頼主である客のターゲットを見据えた商業ビルや賃貸マンションのリノベーションを手掛けている。さらに2016年からは民泊の設計やデザイン、運営代行を行うメインツリージャパン(大阪市)を立ち上げた。今後の展開について話を聞いた。

古さを感じるデザインを今風にリノベーション(上:Before、下:After)

エントランスは顔 外観で価値向上

――会社の受付がバーやアパレルのようなデザインですね。元々デザイナー出身なのですか。

 工業高校を卒業してから住友スリーエムの代理店に入社しました。内装仕上げ剤の営業をしていましたが、上司から「施工顔だから現場に行け」と言われ、職人として勤務していました。自身が携わる物件が増えるにつれ、プライベートでも施工した現場を見に行っていることに気付き、形に残る仕事をずっとやっていきたいと思いました。25歳で独立すると決断し、クリエイティブスペースノットを立ち上げました。そして2001年に法人化してノットコーポレーションに改めました。
 創業当初から「未来をつくるカンパニー」をモットーに設計、デザイン、施工を一貫して提供しています。受付、エントランスは会社の顔だと思っています。効果的なデザインにすることにより「何かやってくれそうだ」という印象を与えています。

――施工会社が数多くある中で、どう差別化を図っていますか。

 創業当初は企業向けのショーウインドーや店舗デザインをメーンに展開していました。店舗での施工は誰をターゲットにした店なのか、依頼主であるお客さんの先のお客さんのペルソナが大事です。10年ほど前から賃貸住宅業界に参入しリノベーションを始めましたが、収益だけが上がればいいとデザインがなおざりにされるケースが多々あります。

 当社がリノベーションを行う場合、まず物件が単身用なのか、ファミリー物件なのかを見て、エリアターゲットを分析をします。さらに地域の特性を確認して、コンセプトを決めます。収益を上げるために外観やエントランスの改修をすることがより効果的だと考えているからです。同じイタリア料理店でも、若者をターゲットにするのか、余裕のある層を対象とするかで内装は全く異なります。これは賃貸にも当てはまることだと思います。ですので当社ではデザインを施さない物件はありません。

――外観より室内の設備に費用をかけることで価値を向上させるケースがありますが、河内社長はどのように考えていますか。

 居室内に最新の設備が必要だとか、キッチンは新しくしないといけないと言う人がいますが、確かにそれも大事です。しかし、エントランスや外観は、人に例えると顔です。顔ではねのけられてしまったら、せっかくいい設備を導入しても室内に入ってもらえないかもしれません。そうなると元も子もありません。エントランスがきれいになることによって放置自転車やチラシの散乱なども防ぐことができたり、犯罪者が入りづらくなったりとマナーと防犯も向上します。

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