平井 利明 理事長

土地の売却資金で賃貸住宅建設し無借金

亀岡 名刺を見ると相続関係の活動をされているようですね。私ももう90を超えているので考えなくてはいけないですね。

平井 90歳には見えないほどお元気で、70代と言われてもわかりませんよね。

亀岡 しかし、年を取ると疑い深くなる人もいますね。

平井 すでに他界していますが、私の父親が70歳で認知症を発症したときがそうでした。「印鑑をどこに隠したんだ」とすぐに他人を疑うのです。年を取ると不安になるのでしょうね。

亀岡 それはあるかもしれませんね。ただ、相続対策と言いますが、私なんかは何のために頭を使うのでしょうか。相続というのは皆、自分の財産を配偶者や子供、孫が生活に困らないように引き継ぐことを考えるわけですよね。それなのに、売ったゴルフ会員権のお金はどうしたのか、とか、他に預金口座があるのではないか、などと疑われる。それなら、生活に余裕のある家族に財産を残すよりも、私は寄付の方がいいと思うのです。

平井 寄付ですか。

亀岡 うちのグループ会社の社員の子供の学費やジャーナリストを目指す人への指導に使えるように財団をつくって寄付するのも一つの選択かと考えているのです。

平井 それも一つの相続ですね。相続の「相」という字は人の生き様や考え方という意味もあります。まさにその生き様や考え方を「続」けるという意味では、その通りだと思います。一代で築かれた財産を寄付するという考え方は米国の一流経営者のようです。

亀岡 そうなのですか。

平井 日本では遅れていますが、米国では経営者が財産を寄付するというケースは多いです。日本にもそういう経営者が増えるといいですね。それにしても、90過ぎてまだ現役でやっていらっしゃるとは本当に素晴らしい。

亀岡 生涯現役を考えるなら、やはり賃貸業が最も固いです。年を取っても、実務的なことは管理会社に任せることができるので、それほど体を使う必要はありません。この間も日本経済新聞に「年金不安よサヨウナラ、生涯現役よコンニチハ。賃貸ビジネスの今」という見出しを入れて全国賃貸住宅新聞の広告を出稿したら、大きな反響がありました。

平井 それは確かにインパクトがありますね。生涯現役は多くの人の目標ですから。最近は不動産投資で資産何億円という人が出てきていますね。

亀岡 財産をつくるなら不動産よりも株の方がいいです。

平井 株ですか。

亀岡 私は証券担当の記者をやっていましたから、株式相場を70年見続けていると、長い歴史の中で上がるタイミング下がるタイミングがわかるのです。うちにも、みずほの株が安いから今買いだ、と言って買った社員がいましたが、3倍くらいになってこれは売りだと思ってすぐに売り抜けてしまいました。でも、そのあと10倍とかになっていますからね、素人の株なんてそんなものです。

平井 なるほど、株で財産をつくるには知識と経験が必要ですね。株にしても不動産にしても資産運用は難しいです。

亀岡 そうです。ただ株はすぐに売れますけど、不動産はすぐには売れません。しかも借金して買うわけですから、あとが大変です。

平井 借金は重荷になりますから。私の家は東京都立川市の農家で、バブルの頃、グラウンドとして売却してほしいという要望があり、売却しました。そのときの坪単価が今の東京都世田谷区並みで、売却で得た資金で別の宅地化した土地に賃貸住宅を建てたわけです。だから借金による精神的な負担はなく経営できています。

亀岡 無借金で賃貸経営ですか。うちも無借金ですよ。

平井 御社も無借金ですか。それはすごい。

(続きは本紙で)

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