牛島 浩二 社長

不動産投資市場は縮小か実現できる収支計画が命

亀岡 藤和コーポレーションという社名なのですね。藤和不動産とは関係があるのですか。

牛島 よくいわれますが、つながりはありません。当社は横浜に本社を置き自社ブランド「新築大家さん」で、賃貸マンションの企画から、建築、管理まで行っています。この3~4年は特に購入希望者が増えたことで、売り上げは2016年度に37億円、今期は40億円になる予定です。4年前から2倍以上に伸びました。

亀岡 不動産価格が高くなっていますが、事業になるのでしょうか。

牛島 当社の強みは、企画から入ることで、建築コストを抑えて、こだわりのある物件を作れることです。土地を購入し、建物を建てた場合には表面利回りで6~7%。借地の場合は7・5~8%ほどの事業収支が可能です。建物の価格は1棟で1億2000万円ほど、土地も含め1億8000万円ほどが中心ですね。最近は年間30棟ペースで建てています。6年前から始めた賃貸管理は現在約1800戸に増えました。

亀岡 サラリーマン家主が増えているとよく聞きます。賃貸経営は、管理会社に仕事を任せれば兼業で副収入を得続けることができる。退職後も、年金以外に収入を持てる「生涯現役」ビジネスでこれからも需要はあるでしょう。

牛島 当社の場合も、サラリーマンの顧客が中心です。確かに、この数年は金融機関の融資が緩かったので、不動産投資が活況でした。ただ、将来は不動産投資市場が縮小していくと考えています。

亀岡 不動産事業は、長い目で見ると成功者のほうが少ない。景気の波に左右されるところがありますからね。私が知っている経営者でも、全盛期があっても結局ダメになってしまった。マンスリーマンション先駆けの司建物管理の川又三智彦氏や投資用ワンルームマンション草分けのマルコー、金澤尚史氏などですね。

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牛島 現在のサラリーマン不動産投資の問題点は賃貸経営の事業性にではなく、サラリーマンの属性に対して融資が下りていること。当社が一番に考えているのは、企画した賃貸マンションが事業として継続していけるかどうかです。損益分岐点を割らないようなプランニングこそ命です。

亀岡 どういうことですか。

牛島 建築前から周辺の家賃相場を徹底的に調査します。事業はリスクを想定した上で計画を立てるべきです。周辺の賃料が下がった時に、その水準で貸せる賃料設定はいくらかを算出し、そこから建築の費用などを割り出していきます。当社への相談で増えているのが、某ハウスメーカーで建て、サブリースをしたけれども当初の事業計画書通りにいかず持ち出しになっている、というケースです。建築会社の売り上げを確保するために建築コストを下げず、そこから逆算して高い賃料に設定して空室だらけになる。そのような状況がサブリース問題につながっています。当社の場合、1棟目を建てた後、2棟、3棟目も購入するリピーターは7割。提案した事業計画書通りに収益をあげているため、次の不動産を買う場合にも、金融機関が信頼して融資を付けるからです。

亀岡 はじめが肝心というわけですね。

牛島 はい。当社はお客様と一生の付き合いをします。ですから、はじめての個人面談で「何のために不動産投資をやりたいのか。どんな人生を送りたいのか」を聞き取っていきます。オーナーはビジネスパートナー。お金だけ出すから、あとは全部やっておいて、という態度の方にはお断りしたこともあります。

(続きは本紙で)

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