石井 秀和 社長

働いている実感求めできることは自分で対応

亀岡 川崎市の地主なんですね。
石井 川崎市の新城という地域の400年ほど続く地主です。曾祖父の代から賃貸住宅事業を展開しています。
亀岡 賃貸住宅はどのくらい所有しているのですか。
石井 350戸ほどあります。すべて自主管理をしています。
亀岡 その数をすべて自主管理するのは大変ですね。
石井 グループ会社としてハウスクリーニング会社を持ち、内製化できるところは対応しています。
亀岡 コストはできる限り削減しているわけですね。
石井 2000年に家業に入り賃貸業をやってみたら、何をしたらいいかさっぱりわからなかったのです。わからないからひたすら走ってきたという実感しかありません。

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亀岡 基本的には家主業は毎日やることがあるわけではないですね。
石井 まさにそうなんです。賃貸業は不労所得で成立するので、自分で仕事を探さないと何かをやっている実感が得にくい職業だと思います。ひたすら走ってきた中でわかったことは「できることは自分でやった方がお金がかからないうえ、やりがいがある」ということでした。
亀岡 ただ、それでは世の中に影響力を与えるほどの存在にはなりませんね。私は賃貸業界の経営者は、もっと自分の存在をはっきり示しながら話すことが重要だと思っています。全国賃貸住宅新聞を創刊した当初、管理会社の経営者の多くは「表に出されたら困る」といって記事に顔を出したがりませんでした。なぜなら自分たちの仕事に対して自信が持てなかったからです。でもそれでは社員が夢を持てません。社員が夢を持てない業界は伸びていかないでしょう。
石井 確かにその通りですね。
亀岡 経営者が真っ先に出て、「これだけ仕事をしているんだ」と言っていく責任があるのです。
石井 私も当初、自分が賃貸業をやっていることやビジョンを口にすることを意識的に避けていました。それが青木純という同い年のオーナーが自信を持って「私は大家です」と堂々と話しているところを見て以来意識して自分の考えを発信するようになりました。

亀岡 賃貸住宅は無限の可能性を持っているのです。私たちが「賃貸住宅フェア」でどんな垂れ幕を掲げているか知っていますか。「賃貸住宅市場を制するものは日本経済を制する」です。
石井 ほぉ、それはすごいですね。
亀岡 かつてアパートといえばトイレは共同でしたし、風呂はありませんでした。水回りの設備がほとんどなかった時代は、極端な話、材木とくぎとカンナがあれば造れました。ところが、今では設備はもちろんのこと電力、金融、保険、不動産も関わってきます。賃貸業界は流通を担っているシステム産業なのです。
石井 システム産業ですか。
亀岡 そうです。「賃貸住宅フェア」を見ればわかります。例えば、鍵の販売代理店が出展していますが、オーナーが「この鍵はいい」といえば、一度に100個売れますよ。賃貸の力はすごいのです。
石井 なるほど、確かにそうですね。

(続きは本紙で)

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