川口 貴之 社長【 亀岡大郎のトップ対談 】

賃貸住宅「ルネスマンション」1000棟突破

2000年に全国展開を始めた賃貸マンション建築FC「ルネスマンション」が1000棟を超えた。同FC本部を展開するのはエス・アイ・ビジネスソリューション(東京都大田区)だ。同業のヒーローライフカンパニー(東京都港区)との業務提携などを進める中、新規加盟店が増えている。今回は同社川口貴之社長に人口減少時代の賃貸マンション建築について話を聞いた。

床下60cmの高さを確保 広い収納スペースが魅力

亀岡 御社は賃貸マンションを建設している会社ですか。

川口 当社は賃貸マンションFCの本部として、建設会社のサポートをしている会社です。

亀岡 いつからやられているのですか。

川口 2000年から全国展開を開始し、今年1000棟を超えました。戸数にして1万6000戸ほどになります。

亀岡 賃貸マンションFC本部の社長とはこれまで対談で会っていますが、御社はどのように他社と差別化を図っているのですか。

川口 当社が展開する「ルネスマンション」は広い床下収納空間が最大の特徴です。床下は高さ60cmを確保しています。

亀岡 他社ではあまり見られない設計なのですか。

川口 当社では限られた土地を最大限活用し、快適な居住性を提供する方法として研究した結果、天井に梁を設ける一般的な工法に対して、梁を床下に設ける逆梁工法をさらに発展させた「1階2層方式」によるルネス工法を開発したのです。これにより、先ほどお話しした床下に60cmもの広大な空間を確保することが可能になりました。

亀岡 この工法は床下収納の他にもメリットがあるのでしょうか。

川口 深さのある床下空間を自由に活用できるメリットがあります。例えば、上下の空間を有効活用したロフト付きスキップフロアがあります。天板を置いてデスクを設け、壁にはニッチ風の収納を採用することで、壁で部屋を区切ることなく、デスクスペースを設けることができます。

亀岡 壁で部屋を区切らないということは、開放感があるということですね。

川口 それだけではありません。設備メンテナンスを行う際も、広い床下空間は点検・修繕作業も人が潜り込んで作業できるので簡単に行えるのです。

亀岡 私は建築技術については詳しくないのですが、画期的な工法のようですね。ただ、これから先、めまぐるしく時代のニーズが変わる中で、新築時の設計は重要になってきますね。

川口 まさにその通りです。基本的にアパートの収益計算を行う場合、建築費と家賃収入のみを考えがちですが、私どもは以前からメンテナンス費用や時代のニーズに応じた適切なリフォームが必要であると考えてきました。そこで当社が提案するのは「スケルトン・インフィル設計」です。

亀岡 スケルトン・インフィルとは中が設計変更しやすい設計ということですね。

川口 はい。建物を骨格であるスケルトン部分と、内装インテリアであるインフィル部分とに分ける構造です。

亀岡 なぜこの設計を考えたのですか。

川口 賃貸マンションは築10年を経過したあたりから、老朽化が現れ、空室の原因となります。その老朽化の原因は設備機器の機能低下にあるのです。建物の躯体(くたい)は47年の償却期間がありますが、給排水設備などの設備は15年の償却期間です。今では、家賃を下げても入居者がおらず、建て替えたくても建て替えできない老朽化した賃貸マンションがたくさんあります。間取り変更や大掛かりなリフォームは大規模修繕のときに行うなどタイミングが難しいのです。その部分を解消する方法として考案されました。

亀岡 確かに今は新築時のままでは入居者獲得は難しいですね。賃貸住宅新聞でも連載企画でリノベーション事例を取り上げています。

川口 スケルトン・インフィル設計により、当社では建築後の維持費・修繕費を抑えることができるのです。

(続きは本紙で)

エス・アイ・ビジネスソリューション
川口 貴之 社長

1972年1月21日生まれ。奈良県磯城郡出身。龍谷大学卒業後、95年大和ハウス工業に入社。30歳で日本LCAに入社。賃貸マンションFC本部「ルネスマンション」を担当。2009年エス・アイ・ビジネスソリューションの立ち上げに参画し、ルネスマンション事業本部の運営スタート。15年に同社代表取締役社長に就任。

エス・アイ・ビジネスソリューション
本社所在地 : 東京都大田区鵜の木一丁目18番23号
設立 : 2009年3月3日
社員数 : 5人  
事業内容 : スケルトンインフィル工法による技術・商品開発、地域企業への経営・営業・技術各種コンサルティング業務、スケルトンインフィル(SI)建設サポートFC事業

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