杉本 尚士 社長

親会社のJBRとの連携が奏功

亀岡 対談は約10年ぶりでしょうか。おみえになった当時は保険業改正で家財保険が新設されたばかりで、少額短期保険の会社名をあまり聞きませんでしたが、最近は大手や団体など業者が参入していますね。

杉本 営業を開始した2007年は、1桁ほどしか事業者がありませんでした。当社は関東でも4番目、全国でも5、6番目と早い段階から手掛けています。現在は98事業者が登録しており、そのうち約半数の46社が家財保険を取り扱っています。

亀岡 家財保険も競合相手が多い分野ですね。保険の内容で圧倒的な差別化を図ることが難しい分、どんな戦略を立てていますか。

杉本 東証一部上場企業であるジャパンベストレスキューシステム(以下、JBR)が親会社であるため、信頼が得られ営業がやりやすいです。また、JBRの営業と連携して、鍵や水回り、窓ガラスなどの24時間365日出動のトラブル対応と、家財保険をセットにした商品の販売なども行っています。

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亀岡 JBRは不動産業界に名が知られていて、独自の販路がある分、代理店開拓がしやすいかもしれないですね。代理店はどれくらいまで伸ばしましたか。

杉本 9年前の09年は、設立して半年ほどでしたが、代理店数が150社で上々の滑り出しでした。現在はその8倍の1200社まで増えました。また契約件数も8000件ほどだったのが、約27万件になりました。

亀岡 入居者向けの家財保険の契約は、自動車や生命保険のように、ユーザー自身が見て加入するという習慣がなく、代理店で決まるといっても過言ではありません。そのため、入居者が求める補償の内容や賠償の満足度だけではなく、事務の簡単さや代理店手数料など不動産会社にとってもメリットがあり、かつ分かりやすい保険が求められます。

杉本 おっしゃるように、賃貸住宅の入居時に契約する家財保険や家賃債務保証の契約は不動産会社に勧められて加入するケースがほとんどです。ただ、このような保険の場合、入居者が自分自身で加入するタイミングが難しいのが現状です。ですから、北は北海道から南は沖縄まで、代理店である不動産会社に営業に回っています。このとき「この作業の改善ができないか」「○○のような商品はつくれないか」など意見をいただくことで改良につながったり、新サービスを生み出したりすることができます。

亀岡 弊社でも記者に「人に会え」といいますが、営業も足で稼ぐことで気の利いた商品が生み出せるのですね。

杉本 5年ほど前からは業界でいち早く家財保険の月払いを始めました。一括で払う場合よりも割高にはなりますが、引っ越しにかかる費用負担を少しでも軽減したいという需要に対応し、月々700円プランから用意しました。

亀岡 入居者は敷金、礼金、仲介手数料、鍵の交換代、引っ越し料金などが一度に必要になり、生活がひっ迫するケースもあるので、数百円で契約できるとなると家計への負担を分散させることができます。月払いは、家賃と一緒に集金するでしょうから、無保険の防止にもなりますね。

杉本 月額払いプランは、代理店の収益アップにもなります。冒頭で話したJBRの駆け付けサービスとのセット導入も月額払いができ、好評を得ています。

亀岡 しかし、もちろん一括プランの需要もあり、入居更新時に家財保険の継続をしない人も多いと聞くので、そういったケースに対応していく必要があるでしょう。

(続きは本誌で)

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