大西 倫加 社長

住宅購入者向けに建物の状態を診断

亀岡 社名がさくら事務所とは日本的な名前ですね。

大西 社名は創業者の長嶋修が長女の名前にちなんで付けました。当社の理念「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」がその社名にも込められています。

亀岡 そうですか。具体的には今どのような事業を展開されているのですか。

大西 ホームインスペクションとかマンション管理組合のコンサルティングなどです。ホームインスペクションとは不動産取引の際に行う住宅診断です。これまで4万件を超える実績があります。

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亀岡 始めたきっかけは何ですか。

大西 米国や欧州では不動産取引で当たり前となっている「ホームインスペクション」を日本流にアレンジして、不動産取引において仲介業の方たちに建物と知識があまりなく説明もないという状況の中、一般の買う人のセカンドオピニオンとしてのインスペクションを手掛けようと考えたのがきっかけです。業界で初めて個人向けコンサルを始めた会社として、今19年目となります。もともと創業者が独立前、地場大手不動産会社に勤めていたときに社内の全部門を回る機会があり、そのときに得た気付きがヒントになっています。

亀岡 気付きとは何ですか。

大西 アフターメンテナンス部門にささいなクレームやトラブルが山のようにあったのです。内容をよく聞くと「そんなもの自分で直せばいいのに」というレベルのクレームも含めてありました。そのときに、日本人は買うことに関心はあるが、建物自体に知見はなく、買った後に「こんなはずじゃなかった」となってしまう。これは日本だけなのかと思って欧米の不動産取引について調べたんです。そうしたら、ホームインスペクションというものがあることでこうした問題を回避できることを知ったのです。

亀岡 そうなんですか。アメリカなんかは日本と違って中古住宅の売買も多いそうですね。

大西 はい。欧米との不動産取引を調べたら、そもそも日本と違って中古住宅が中心で、新築よりも中古という価値観がありました。DIYで手を入れながら住みやすさを追求し、それによって建物の価値を維持していくという考えです。欧米について知ったことで、日本もこうなったらいいのにと考えたことからホームインスペクション事業にたどり着きました。とはいっても、長嶋も建築畑の人間ではなかったので、自分の得意領域である買い主のための住宅相談から始めました。

(続きは本誌で)

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