自宅を改装しサロンとして開放
東京都世田谷区でアパートを経営する田名夢子オーナーは、地域住民向けのコミュニティー施設「笑恵館」を4月にオープンし、5月24日、オープニングパーティーを開催した。
1日4回の時間帯に分けて行われたパーティーには1回に約30人が訪れた。子ども連れの夫婦や高齢者の参加者も多く、談笑する姿がみられた。
「笑恵館」は、小田急線祖師ケ谷大蔵駅から徒歩5分の住宅地にある田名オーナーの木造2階建ての自宅を改装した建物。
1階にパン屋が入り、飲食スペース、イベントスペースがある。
このイベントスペースで笑恵館ができるまでの道のりを振り返った「SHO―KEI―KAN展」を6月1日まで行った。
基本的に誰でも自由に利用できるが、笑恵館の会員(年会費500円)になれば、イベントの開催等で使用することができる。
現在、会員は130人ほどいる。
また、同じ敷地内にある築32年の2階建てアパート(1K、全6戸)も改装し、地域住民と交流したい単身者、シングルマザー、一人暮らしの高齢者などを対象に入居を募集している。賃料は7万円前後。
田名オーナーは、2010年から同アパートの空室を利用して、高齢者や子育て中の母親が集まるサロンを運営してきた。
「笑恵館」の運営には、この活動が基盤になっている。
オーナーによる賃貸住宅のコミュニティー運営はいくつかの事例があるが、自宅を開放するケースは極めて珍しい。
この点について田名オーナーは、「アパートの入居者や地域の方と一緒に食事を取りたいと思ったことがきっかけです。遠い親戚より近くにいる人々とゆるやかな家族のように楽しく暮らしていきたい、地域の方々が寛げる『みんなの家』を提供したいという思いでつくりました」と話した。
パーティーに参加した会員男性は「利用者からは『実家にいるみたい』という声をよく耳にします」と話した。