キャンパス移転で現地市場に打撃

2015年04月27日

郊外から都市部へ 3000人規模の移動

学生去って沈黙の春―。
「この繁忙期の仲介件数は例年より4割落ち込んだ」。こう話すのは、滋賀県草津市で賃貸仲介するエルアイシー(本社・滋賀県大津市)の担当者。
同市にある立命館大学びわこ・くさつキャンパスの一部、経営学部と大学院経営学研究科が、今年4月にオープンした大阪いばらきキャンパス(=写真)に移転したことで、約3700人の学生が移動。
周辺の家主・不動産会社は打撃を受けた。
同社では、ワンルームの家賃を平均1万円下げたという。
昨年末から今年にかけて把握しているだけでも5~6棟のオーナーが入れ替わった。

成約数が昨年比3割減だったというハウスセゾン南草津店の佐藤正一店長は、「昨年入学した学生は安い物件か家具家電付き物件を選ぶ傾向があった。1年後の引っ越しを見越してのことだったのかもしれない」と話す。
同社で調査したところ、仕事や観光で京都を訪れた人が滋賀のホテルを利用しているケースがあるという。
「1週間以上滞在し満室気味であるというデータも参考にしてウィークリー・マンスリーマンションとして展開していくことも検討中」と対策を語る。

同キャンパスの場合、全面移転ではないので現在も約1万3500人の学生が通学する。
それでも現地の賃貸需要への影響は大きい。

少子化に拍車がかかる中、大学も学生の取り込みに必死だ。
郊外から都市部への移転はこの10年で複数の大学が行ってきた。
2005年、東洋大学が埼玉県の朝霞キャンパスから文系学部1、2年を東京都文京区の白山キャンパスに移転し、志願者増につながったことから、都市部回帰への流れが続いている。

杏林大学は、来年度に東京都八王子市のキャンパスを三鷹市に移転する。
これにより約3500人の学生が八王子から姿を消す。
同市の不動産会社は、「例年見込んでいた学生の動きがぴたりと止まってしまった」と不安を隠せない。

すでに計画を決定している大学だけではない。
私立大学の4割が定員割れという時代、今後もこの動きは止まらないだろう。
学生のみに頼る賃貸経営では先行き不透明だ。先手を打って準備する必要がある。

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