カメラや複合機の開発・販売を手がけるリコー(東京都大田区)は9月12日、360度画像の修整などを行えるアプリ「RICOH360」の提供を開始した。360度画像を撮影できるカメラ「RICOH THETA(リコーシータ以下、シータ)」シリーズの撮影写真の画像処理・保存やデバイス管理をクラウド上で行うことができる。
撮影画像を自動でクラウドへ
利用開始時には、同アプリ経由でクラウド上にシータを登録する。「RICOH THETA X」などのWi-Fi対応機種であれば、撮影した360度画像をクラウドに自動アップロードすることができる。撮影画像のスマートフォンやパソコンへの転送が不要になるほか、現場で撮影された画像を事務所など離れた場所で即時に確認することが可能になる。
アプリの機能は大きく分けて二つ。一つ目は画像処理機能だ。明るさや画像の荒れを自動で調整する「AI画像補正」や、写真に写り込んだ人を自動でぼかす「AI人ぼかし」といった機能が使える。
二つ目は、デバイス管理機能。複数台のシータのバッテリーや保存容量の残量、ファームウエアのバージョン、各デバイスの最終利用日などを一括で把握することができる。
クラウドのストレージは10ギガバイトまで利用可能。画質により異なるが、おおむね2000枚程度の360度画像を保存できる。アプリのダウンロードや月額利用料は無料となっている。
アプリ開発を担当したSmart Vision事業センターの山本陽平氏は「クラウドを使ってシータの機能を拡張し、建設事業や不動産事業の業務効率化に貢献したい」と話す。
(2023年10月2日8面に掲載)