意思能力と制限行為能力【宅建試験解説】

【連載】2020年宅建試験まるかわり解説

管理・仲介業|2024年02月07日

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Q.意思能力のない状態で契約を結ぶと?

A.無効です。

泥酔して契約書にサインすると?

 意思能力を欠く状態であれば無効となります。意思能力とは、自分の行っていることの意味を理解できる能力をいいます。私たち人間(法律上は自然人といいます)は、意思能力を持っていればこそきちんとした契約を結ぶことができます。意思能力がない者が結んだ契約は無効となります。たとえば、年端のいかない子供(12~13歳程度まで)や重度の精神障がい者や飲酒などによる酩酊(めいてい)者などが典型例です。このような人がたとえ契約などを結んできたとしても、自己の意思によって契約を締結したとは普通いえないため、法律上は無効となるわけです。

 なお、民法改正により、前記の内容が明文化されました。

未成年者が親に内緒で買い物したら?

 意思能力があるかないかは一見わからない場合があります。また、契約を結んだとき飲酒酩酊して意識がなかったということを後の裁判で証明することは困難です。そこで、民法は、一般的に判断能力が不十分であろう者をそれぞれのグループにして、これに保護者をつけて判断能力不足を補わせる仕組みを用意しています。これを制限行為能力者といい、制限行為能力者には、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人の4種類があります。

 制限行為能力者制度では、保護者が代わりに契約を結んできたり(代理権)、事前に同意を与えたり(同意権)、事後に契約を取り消したり(取消権)、事後に同意を与えたり(追認権)することで、制限行為能力者を保護しています。ただ、一律ではなく、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人でその保護の程度が異なります。

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