地方にIT企業誘致で雇用創出
国土交通省は9日、第5回「働き方改革を支える今後の不動産のあり方検討会」を開催。業界関係者ら約30人が傍聴した。
初めに、同検討会の委員であるリクルート住まいカンパニー(東京都港区)の池本洋一SUUMO編集長が「働き方改革で変わる暮らしの多様化・ハコの進化」と題して発表。同社で収集したデータによると、通勤や子育て、共働きしやすい暮らしへの期待が高まっているという。
池本編集長は「分譲マンション購入者の求める暮らしは変化している」と指摘し、マンション内に保育園・民間学童を設置することで子育て夫婦の余暇時間を増やす「育住近接」を推奨した。次に三井不動産(東京都中央区)の山村知秀ビルディング本部長が「働き方改革を実現する法人向け多拠点方シェアオフィス『WORK STYLING』」について話した。
最後に「不動産が動く時代のまちづくり~マーケット動向に基づいた不動産活用~」をテーマに油津応援団(宮崎県日南市)の木村亮太取締役が発表。油津応援団は宮崎県日南市にあるシャッター商店街の活性化を目的に設立。空きテナントに飲食店やIT企業など、4年間で合計29の事業者を誘致し、100人以上の雇用を創出した。
事業に参画した日南市マーケティング専門官の田鹿倫基氏は「昔のようなにぎわいある商店街の再生にとらわれるのではなく、その土地・時代・マーケットにあった商店街にゼロベースでデザインすることで雇用が生まれる」と語った。次回開催は6月5日を予定する。