浮かび上がる税制上の問題点
スルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団(以下、SS被害弁護団)は2018年12月25日、スルガ銀行(静岡県沼津市)との交渉後に都内で記者会見を開き、交渉の状況を報告した。
SS被害弁護団側は、交渉では土地建物を引き渡し、債権は相殺で処置すべきとの主張を改めて行った。
一方、スルガ銀行側は投資用シェアハウス等への融資について借入元本減免に応じる用意があると公表はしているが、いまだに実現した例はないという。その理由として同行が挙げているのが、減免分を法人税法上の損金処理の対象にできるかが不明な点だ。会計上の処理について、現在、名古屋国税局に確認中だと弁護団に回答した。
SS被害弁護団側は「金融庁から指示が出ているため、家主がスルガ銀行から借りた金額の元本減免は既定路線だ」というが、同弁護団の代物弁済の主張が通った場合にも税制上の課題が浮上する。家主が土地と建物をスルガ銀行に返却した後に残った債務について、債務免除益として所得税の課税対象になるか否かという問題を解決する必要があるのだ。