少子高齢化により人口の減少が進む日本。地域によっては、若い世代や新たな住民を呼び込むことで、地域の活性化を図っている。今回は、賃貸住宅に併設した、入居者以外も利用可能なレンタルスペースを使い交流イベントなどを開催している物件を紹介する。
レンタル共有スペース併設
八景市場、アパート敷地内でマルシェ
「住みたい」きっかけづくり
京浜急行電鉄本線金沢文庫駅より徒歩約10分。閑静な住宅街の一角に、「食」をコンセプトにしたシェアスペース併設型アパート「八景市場」がある。オープンしたのは2019年2月。人口の減少が進む神奈川県横浜市金沢区で、新たな住民を呼び込むため、定期的にマルシェやイベントを開催する。このイベントを目的に若い世代がこの地を訪れ、にぎわい始めている。
同物件は居住部分の母屋と、離れとして「こずみのほとり」と名付けたシェアスペースから成る。母屋は木造2階建ての連棟長屋で全7戸。専有部は約50㎡。間取りは2DKで、主に30~40代の共働き夫婦が入居している。1階はコンクリートの土間打ちで、アトリエや工房などに使える仕様だ。窓を開けると道路に面した共有庭につながることから、1階を小商いとして活用することもできる。
こずみのほとりは、キッチン完備の平屋のシェアスペースで、広さは36㎡ほど。居住者は1時間1000円、入居者以外は1300円で借りることができる。飲食店営業許可を取得済みのため、料理教室やランチ会などを開くことができる。家賃は周辺の相場と同等の設定で、月9万5000~11万円(共益費込み)。募集開始から1カ月未満で満室となった。