空室利用犯罪の抑止に期待
Good不動産(福岡市)は、5月中旬をめどにネット機能を持った鍵管理システムを試験導入する。
デジタルキーを使用して管理物件の施錠をする。
Qrio(キュリオ・東京都渋谷区)と協業し、まず福岡市内の空室物件の20室で利用する。
キュリオが提供する鍵システムは、ネットとつながって遠隔で操作や管理ができるIoTデバイスの一種。
この仕組みを空室の防犯対策として導入するのは、福岡県内では初めてとなる。
現在、マンションなどの物件内覧は、現地にキーボックスを置く、もしくはオートロックの暗証番号を開示して、物件管理を行うことが主流だが、いつ、誰が内覧したかまでは、把握されていない。
こうした情報を蓄積することで、部屋の防犯機能向上などにも生かしていく。
また、キーボックスなどを利用した現状の鍵管理では、空室を宅配場所に指定しネットで商品を大量購入するといった詐欺犯罪の温床となっている面もあり、全国的な問題となっている。
今回導入するQrio Smart Lockは、鍵をデジタル化し、スマートフォンを介して、特定の相手のみに鍵の利用をさせることが可能だ。
内覧した情報も残るため、犯罪の抑止効果が期待できる。
注目されているスマートロックだが、現状は個人での利用が多く、玄関などの主要な鍵の補助的な使われ方をしていることが多い。
今回の導入では、スマートロックを本格的な不動産管理会社向けの商品として運用するため、運用方法やスキームの構築、セキュリティ上の課題の洗い出しなどを行い、キュリオと協議していく。
「将来的には、Qrio Smart Lockが設置された物件を高度なセキュリティ物件として、紹介できるようにしたいと思う」(同社・牧野修司社長)
Good不動産は福岡市を中心に1万戸以上の賃貸住宅を管理している。