違法増築で入居者巻き込むトラブルに

法律・制度改正|2016年11月17日

  • twitter

オーナーへの刑事告訴も検討


大阪府池田市は10日、市内の賃貸マンションが建築基準法に違反するとして、オーナーである女性に対し刑事告発を検討していることを明らかにした。
建築確認申請書では7階としていたものを、当時オーナーだった建築主が収益性を高めるために違法に9階建てに建て増しして完成させ、容積率の限度を超えていた。
市の審査指導課はオーナーに対して改築を求めているが、物件には現在約20世帯が入居していることなどから、進展を見せていない。
市は8日に物件のエントランスにオーナーへの命令内容を掲示し、入居者に現状を知らせた。
入居者からは「このまま住んで問題ないのか」など不安の声があがっている。

市によると、物件は池田市の中心地にある『マテリアル菅原』。
2012年8月に竣工し、建築完了審査を行った際に、違法な建て増しが発覚した。
また、建築確認申請書類ではワンルーム24戸とされていたが、仲介サイトでの募集要項では3LDKや2SLDKなど、計画にない住居も掲載されていた。
市は事実確認のためにオーナーに対し図面の提出を求めたが応じず、確認作業を進めている。

物件の当初の所有者は建築主である建設会社の経営者男性だったが、竣工から1年以内に別の人物へと売却した。
その後、2015年10月までに兵庫県に住む女性オーナーへと売却されている。
現在のオーナーが物件の購入時に違法な建築物であることを認識していたかについては、わかっていない。

市は2013年8月に男性に対して建築基準法に基づく是正を命じ、男性もこれを認めたものの、改築しないまま売却を行った。
その後、15年10月に、現在のオーナーに対してあらためて正確な図面の提出を求めるとともに、是正命令を出したが、女性は改善に取り組む気配を見せなかった。
女性は代理人弁護士を通じて「是正に向けて対応したいが、経済的に取り壊しは難しい。入居者もいるので、それを踏まえて市と話し合いたい」とコメントしている。

検索

アクセスランキング

  1. 大手不動産会社で入社式

    レオパレス21,大東建託グループ,ハウスメイトパートナーズ,APAMAN(アパマン),常口アトム,武蔵コーポレーション,TAKUTO(タクト),三好不動産

  2. ビューン 大石隆行社長 電子書籍読み放題、13万戸に

    【企業研究vol.246】ビューン

  3. 戸建て賃貸強みに売上33億円【上場インタビュー】

    東日本地所

  4. 不動産業アワード、10社が受賞【クローズアップ】

    国土交通省

  5. 供給増えるZEH ハウスメーカーの最新動向を紹介

    三菱地所レジデンス,ミサワホーム,大和ハウス工業

電子版のコンテンツ

サービス

発行物&メディア

  • 賃貸不動産業界の専門紙&ニュースポータル

  • 不動産所有者の経営に役立つ月刊専門誌

  • 家主と賃貸不動産業界のためのセミナー&展示会

  • 賃貸経営に役立つ商材紹介とライブインタビュー

  • 賃貸管理会社が家主に配る、コミュニケーション月刊紙

  • 賃貸不動産市場を数字で読み解く、データ&解説集

  • RSS
  • twitter

ページトッップ