セキュリティ対策や利便性向上図る
スマートフォンやタブレットひとつで設置家電の操作などが可能になる IoT 機器の導入が賃貸住宅で進んでいる。
オンライン上でアパート投資のための土地のマッチングから建築・賃貸管理までを提供するインベスターズクラウド(東京都港区)は2018年12月までに、同社が管理している1万4000戸のうち、1万戸にタブレットとセンサー、窓に取り付けるセキュリティ機器から成る IoT サービス『賃貸住宅キット』の導入を目指す。すべて後置きで簡単に設置できる。
入居者が家電をタブレット1台で操作できることのほか、家主は空室状況や内見状況の把握、空室時のセキュリティ対策を行うことが可能になる。同社の子会社で IoT 機器の開発を行うロボットホーム(同)の商品で、今後は不動産会社向けにも販売していく予定だ。初回導入費用は1室につき8万円(税別)。月額は1000円となる。
賃貸住宅だけではなく、シェアハウスにも導入の動きがある。
リノベーションを手掛けるRバンク(東京都渋谷区)は6日、アプリケーション開発を手掛ける and factory(アンドファクトリー‥東京都目黒区)の IoT 機器を取り入れたシェアハウス『omiya mosaic parkshare(オオミヤモザイクパークシェア)』の内覧会を行う。
JR宇都宮線「土呂」駅徒歩13分、築24年のRC4階建ての全31戸の社員寮をファミリー向け賃貸15戸と単身者向けシェアハウス16戸に再生した。シェアハウスには1部屋に1台のスマートフォンを貸与する。入居者が操作すると、各自の個室に居ながら、混雑しやすいランドリーやほかの階の共用部分の使用状況を確認することができる。話題性を高め、入居者を獲得しやすくする狙いから取り入れた。
賃料は近隣相場と同程度で17.55㎡の15室が3万3000円、54.3㎡の1SLDKが6万2000円。5月29日時点で1SLDKにはすでに近隣からの住み替えにより成約済みだという。