多様なニーズに応える
不動産仲介事業を行う東急リバブル(東京都渋谷区)は5月23日、賃貸仲介店舗でシェアハウスの紹介を開始した。
紹介するのは、都心の駅近物件でドミトリータイプを含め1000人滞在が可能なシェアハウスを約70戸運営するクロスハウス(同)の物件だ。
東急リバブルは賃貸仲介店舗を首都圏の28店舗を中心に全国で37店舗展開している。
これまで、来店客がシェアハウスを要望しても扱いがないため断ってきた。東急リバブルで取り扱いのない家具付きの物件やマンスリーマンションなど、1カ月程度の短期で入居することを希望する自営業者の相談が寄せられたケースもあり、シェアハウスの紹介を希望する来店客の予算も東急リバブルが取り扱う物件の価格帯より低い場合がほとんどだった。
今回、顧客の多様なニーズに応えるために、シェアハウスの情報も扱うことを決定した。クロスハウスと連携した理由は、クロスハウスの運営するシェアハウスが主要駅から徒歩10分以内で、東急リバブルの営業圏内に入っていること、さらに、家賃帯がグループで管理する賃貸住宅とかぶることがなかったからだ。クロスハウスのシェアハウスへは周辺相場より1~2割安く入居することができる。
東急リバブルの賃貸事業推進課・宮崎英隆課長は「来店客の中でシェアハウスの希望者は100人に1人もいないが、確かにニーズはあるので取り扱うべきだと考えていた」と話した。
クロスハウスの鳥井淳史社長は「毎月4~6戸ほど、40人程度分のシェアハウスを増やしていくため、協業により少しでも入居者を獲得していきたい」と述べた。