賃貸住宅フェア2022in東京 出展者紹介~アウトソーシングサービス編~

Rsmile(アールスマイル),寺田倉庫,Live Search(リブサーチ),ヴァンガードスミス

商品|2022年07月27日

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 在宅勤務の広まりや生産性向上の観点から、不動産業務の一部をアウトソーシングするサービスへのニーズが高まっている。外部委託により、業務フローの見直しや営業・提案の時間確保などが期待できる。当社が26・27日に開催する「賃貸住宅フェア 2022 ㏌ 東京」への出展社の中から、アウトソーシングサービスを手がける企業を4社紹介する。

アウトソーシングサービスの一覧表

社員の残業60時間削減

Rsmile、管理業務をスマホで発注

 Rsmile(アールスマイル:東京都中央区)は、2021年1月から定期巡回・清掃サービス「COSOJI(コソージ)」を運営・提供している。

 不動産管理業務支援と現地作業員の人材提供サービスとして、さまざまな物件管理の作業依頼から完了確認、問題状況の把握、支払いまでを一元管理できるサービスだ。

COSOJIの管理画面

COSOJIの管理画面のイメージ(Rsmile)

 主な作業内容は、物件の掃き掃除代行、目視点検、草刈り、高圧洗浄、消防点検、ルームクリーニングや原状回復など。作業対応エリアは全国で、アパートやマンション以外にも、空き地や空き家、駐車場、駐輪場、太陽光発電施設も対象となっている。

 依頼方法は、依頼者がパソコンやスマートフォンから発注する仕事の内容や頻度などのほか、建物名や住所などの物件情報と発注単価を登録する。その情報を基にクルーと呼ばれる作業者が、自分の得意な仕事を選択し応募する。事前に依頼者と作業者がチャット機能で作業内容について打ち合わせができる点や、作業後の報告をスマホで写真撮影し簡単に行える点も強みだ。

 クルーは、事前に本人確認と反社会的勢力のチェックや面談を行い、審査を通過した人だけが仕事を受注することができる。登録クルーは、現在1万5000人(地場工務店や個人事業主を含む)おり、6月の発注件数は約3000件だった。

 サービスの開始当初は、不動産特化型スキルシェアのマッチングサービスとして運営を開始。主な依頼者は個人の家主が大半だったが、現在では法人も増えている。登録アカウントは、個人が2000人、法人が450社(そのうち不動産会社は200社)だ。実際にCOSOJIを導入した不動産会社では、巡回費用が50%、社員の残業時間も年間60時間削減できた事例もあったという。

 サービス利用料は、登録費用などは発生せず、実際に依頼した作業料のみとなっている。

寺田倉庫、紙と電子、契約書を一元管理

 書類保管サービスを行う寺田倉庫(東京都品川区)は、文書管理システム「CLOUD CABINET(クラウドキャビネット)」を今冬にリリースすることを5月に発表した。管理業務におけるさまざまな契約書を紙から電子までクラウド上で一元管理できる。

 同サービスでは、管理会社からの契約書や、契約に関連する書類を同社が預かり、倉庫に保管する。管理画面から預けている書類を検索し、依頼を行えばPDFデータとしてサーバー上にアップロードされる。紙の契約書とは別に、自社でPDFデータとして保存している契約書も同じ管理画面で保管・管理することができる。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携を行っている電子契約サービスの電子書類であれば、電子契約を締結した後に管理画面に同期し保存される。

寺田倉庫の内部の写真

預かった書類が保管されている倉庫内の写真(寺田倉庫)

 同社は1975年より書類保管サービスを提供している。預かった書類の一元管理サービス「eTRUNK(イートランク)」は、不動産会社を含め約2500社で利用されている。電子契約が全面解禁となる中、紙の契約書と電子契約データが別で管理されており、一元管理したいという要望を受けCLOUD CABINETを開発した。

 リモートワークが普及し、オフィスの移転や縮小を行ったことをきっかけに同サービスの利用を検討する会社が増えている。事務所に大量の書類があり、過去の契約書の整理など、運用支援が必要なケースも多いという。同社は今冬の販売を目指し、各社の電子契約サービスとのAPI連携を進めていく。

Live Search、物件撮影、間取り図作成代行

 不動産会社向けにアウトソーシング事業を手がけるLive Search(リブサーチ:福岡市)は、物件撮影と間取り図作成を代行するサービス「Live Search Req(レック)」を2018年6月から提供している。

 ポータルサイトに掲載する物件写真は、撮影技術により品質が異なる。同サービスでは、プロのカメラマンが色みや画角を整えたうえで、物件の外観や内観を撮影する。写真撮影と併せて室内寸法を記載した間取り図も作成。コンセントの位置やカーテンのサイズなどの情報も記載して納品する。不動産会社はウェブ上で管理物件の住所などの基本情報を入力して依頼。自社対応では1~2時間ほどかかる写真撮影作業を最短30秒程度で依頼することができる。納品までの平均日数は3~4日となる。サービスを活用した物件のうち、85%は空室発生から2カ月以内で成約している。

Live Search Reqの活用前と活用後の外観の写真

Live Search Reqの活用前と活用後の外観の写真(LiveSearch)

 ポータルサイトへの掲載に必要な物件写真と間取り図を同時に発注できることが不動産会社の評判を呼び、3月末には累計の受注件数が1万件を突破した。

 1件あたり5500円(税込み)から請け負う。交通費や移動費は利用料金に含まれ、一律となる。福岡市周辺のほか、兵庫県神戸市と東京23区内の物件を対象としている。

 福井隆太郎社長は「東京エリアでは、年末には1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)までエリアを拡大する予定だ。今後も不動産会社の業務負担の軽減や空室対策となるサービスの展開を行っていきたい」と語る。

ヴァンガードスミス、近隣トラブルを元警察官が解決

 近隣トラブル解決支援サービスを提供するヴァンガードスミス(東京都港区)は、騒音や迷惑行為など、入居者間のトラブルに管理会社に代わって元警察官が対応する「mamorocca(マモロッカ)」を15年より提供している。

 入居者同士の騒音トラブルなどが発生した際、入居者は専用の電話番号やメールアドレスから直接同社に相談する。全国に配置された元警察官が内容に応じて電話での注意や現地訪問、話し合い時の立ち会いなどを行う仕組み。日頃の業務で近隣トラブルの対処をしていた元警察官が対応することで、過剰な要求はのまず中立的な視点での問題解決ができる。

 管理会社は、毎月1回対応報告書を受け取るだけ。入居者への対応に割いていた時間や精神的ストレスを削減できる。導入企業からは月150件あった騒音トラブルへの対応を任せることができた、長年続いていた入居者間のトラブルが1カ月で解決したなどの声があった。元警察官である、同社の田中慶太社長自身の経験から、事件に発展する手前でトラブルが解決する仕組みづくりを目指し、同サービスを開発した。田中社長は「トラブルの大きさにかかわらず最初から対応を任せてほしい」と語る。

 6月末時点で47万人の会員を擁する。料金は会社の要望や規模によって異なる。

ヴァンガードスミス 田中慶太社長の写真

ヴァンガードスミス
東京都港区
田中慶太社長(40)

 

(2022年7月25日11面に掲載)

おすすめ記事▶『賃貸住宅フェア2022in東京 出展者紹介~第5弾~』

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