保有物件の再活用見据える
デベロッパーの新日鉄興和不動産(東京都港区)は1日、大規模複合施設『赤坂インターシティAIR(エア)』内に完成した賃貸住宅『赤坂AIR(エア)レジデンス』の入居を開始した。
東京メトロ銀座線「溜池山王」駅に直結する都心立地で、コンセプトは和モダン。外構部には竹林を植え、エントランスのドアは黒塗りの木格子を連想させる。
特徴は、最大で3.65メートルの天井高を持つ開放的な住戸設計。5階の1LDKの住戸は天井まで窓があり、港区の景色が一望できる。全52戸中、約半分に年配の地権者が住む点にも配慮し、落ち着いた雰囲気づくりに配慮した。入居ターゲットは30~50代の外資系勤務のサラリーマンを想定する。
共用施設には、ミーティングルームやフィットネスルーム、和室のゲストルームなどがそろう。
賃貸住宅事業本部の須藤栄マネージャーは「共用部のグレードは大型のタワーマンションレベル。複合開発だからこそ52戸の規模でこれだけの設備にできた」と話す。
同社は2012年に新日鉄都市開発と興和不動産との合併により誕生。今後は、築年数が40年以上たつ旧興和不動産のビルの建て替えで、賃貸住宅の企画も視野に入れる。
森ビル(東京都港区)も虎ノ門エリアで自社保有の築古ビルを建て替え、大型の賃貸住宅『虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー』を20年の完成をめどに建設中だ。
都心部では地価が高騰しており、デベロッパーは自社が持つ不動産の再活用に目を向けている。