首都大学東京とAIシステム開発
収益不動産の売買仲介などを手掛けるGAtechnologies(ジーエーテクノロジーズ:東京都渋谷区)は18日、首都大学東京システムデザイン学部の高間康史教授の研究室と産学共同研究成果を発表した。AI(人工知能)を活用した物件レコメンドシステムが、リノベーション物件提案の時間を最大55%削減することに成功した。
物件レコメンドシステムは顧客のニーズに対し推薦のランキングをつけて検索結果を表示するもの。今回発表したシステムでは、GAの物件提案の現場から、検索情報や物件提案、契約の成否までのデータを蓄積。高間研究室のランキング学習を応用し、より顧客の要望に合った検索結果を上位に表示できるようになった。
膨大なデータからニーズに合った物件を探し出す場合、人による推薦では熟練度によってバラつきができてしまう。それをAIが一定の学習内容に基づいて推薦物件を選ぶため、提案の質を一定にしつつ、提案にかかる時間の大幅な短縮効果があることが明らかになった。
研究成果指標として検索に要する時間を設定し、提案までの時間は旧システムで12分30秒かかったところを、新システムでは5分36秒に短縮した。
物件資料であるマイソクの自動読み取りシステムもRPA化(ロボットによる業務自動化)。仕入れ担当者が毎日大量のFAXなど紙資料を扱っていた仕入れ業務工数も、画像認識によるPDF化、データベース化により3分の2の自動化に成功した。読み取り精度は現状で80%に到達している。