間取り図の作成に活用も
住宅事業関連のソフトウエア開発を行うnat(ナット:東京都港区)は、測量アプリ「Scanat(スキャナット)」を提供している。空間をスマートフォンで撮影するだけで、3D(3次元)モデルの作成ができるアプリだ。「iPhone(アイフォーン)」と「iPad(アイパッド)」に内蔵されているセンサーから得たデータと、同社が独自開発したAI(人工知能)を組み合わせることで、スキャンした空間の3Dモデルを生成する。
Scanatは任意の箇所をミリ単位で計測できる点が特長だ。建設やリフォームの現場では、人の手で計測することで誤計測が起こり追加工事が発生することがある。この課題を解決するため、計測の精度にこだわった。スキャン時には1秒に2枚ずつ画像データが保存される。入居の際に居室内をスキャンすれば、原状回復工事の見積作成時にそのデータを活用することもできる。
これまで建設現場や不動産業界では、部屋の寸法計測や図面の書き起こしに人手とコストがかかっていた。同アプリでは空間計測のために必要な撮影箇所が、撮影時に画面に示されるため、測量の知識がない担当者でも簡単にスキャンすることができる。利用料金は法人向けプランの場合、初期費用は不要で、月額5万円(税込み)から。
3月4日時点で、建設事業を中心に約400社が導入。劉栄駿社長は「間取り図の作成や原状回復にも活用できることから、不動産管理会社の業務効率化にも寄与したい」と話す。
nat
東京都港区
劉栄駿社長(32)
(2024年3月4日11面に掲載)