旭化成レジ、長谷工ライブが参入
管理会社がビジネスの幅を広げるためサービスアパートメント(以下、SA)事業に活路を見いだしている。
約8万戸を管理する旭化成不動産レジデンス(以下、旭化成レジ:東京都新宿区)は7日、同社初のSAを始動する。旭化成レジがサブリースし、管理・運営はシェアハウスなど約6000戸を管理するオークハウス(東京都渋谷区)が担当する。
物件はJR山手線「渋谷」駅から徒歩6分の場所に立つ全24戸の新築『へーベルSTAY(ステイ)代官山』。渋谷駅に近く、IT系の企業が多く多国籍の従業員が集まることでSAの需要も見込めると踏んだ。専有面積は28~53㎡で間取りは1K、メゾネット、1LDK。
特徴は、シャープのスマートフォンを各戸に1台ずつ備えている点だ。国内への通話のほか香港、アメリカなどへの国際通話が無料で行える。外国人入居者を想定するため、外国人対応の実績やノウハウのあるオークハウスに運営を任せることになった。
旭化成レジは今後の賃貸事業拡大の可能性を探るため、SA事業に参入。訪日外国人の増加に伴いホテルやマンスリーも検討したが、競合の多さを実感。そのため、運営費用がかかり参入が比較的多くはないSAを手掛けることに決めた。稼働率8割以上を目指し、状況を見ながら拡大を検討する。
長谷工ライブネット(東京都港区)は4月から、SA事業に参入した。東京都心部にある芝公園で3戸、芝浦で30戸の賃貸マンションを同社が借り上げ転貸する。25㎡のワンルームタイプが中心で、入居者とは定期借家契約と家具家電のレンタル契約を結ぶ。賃料は日換算で7000円ほど。都心立地でも、SAの方が、稼働率が上がるケースもあるため、既存の賃貸住宅の活用法の一つとしてビジネスに組み込んでいく。
出張や受験、家族の入院の同行など、日本人の根強い需要がある中で、外国人観光客の増加で宿泊先が不足する現状を踏まえ、SAのニーズがあると考えた。長谷工ライブネットは「現在の稼働率は7割程度だが8割以上に持っていきたい」とコメントする。将来的に500戸の運営を見込む。