法務省の法制審議会は10日、相続時などの土地の登記を義務付ける法改正案を答申した。政府は立案作業の詰めに入る。3月上旬には通常国会に提出するという。
3月上旬に通常国会へ提出
法改正案の正式名称は「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」。民法・不動産登記法部会が2日に開催した第26回会議にて、同案が決定された。所有者不明土地問題の解消が目的だ。
改正案の目玉の一つが、相続登記などの申請の義務付けだ。不動産の所有権の登記名義人が死亡し、相続などによる所有権移転が生じた場合の登記申請を義務付ける。そのために新たに「相続人申告登記(仮称)」を創設する。
相続により不動産の所有権を取得した人は、そのことを知った日から3年以内に移転登記を申請しなければならないなど、期限を定めている。
仮に申請義務のある人が申請を怠った場合、10万円以下の過料が発生する。
また、遺贈による所有権移転の登記手続きを簡略化する。相続人に対する遺贈による所有権移転の登記は、登記権利者が単独で申請することを可能にする。共同申請主義の例外として新たな規律をつくり、手続きを円滑にする流れもつくりたい考えだ。
遺産分割については、相続開始から10年を経過した後の分割は、一部の例外をのぞき、無効になるよう見直す。
(2月22日1面に掲載)
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