【退去立会】自社でやる?外注する? 各社に聞いてみた

統計データ|2023年06月08日

  • twitter

 入居者が退去する際に物件を確認し、修繕箇所を借主・貸主どちらで対応するかを決める退去立ち会い。賃貸管理業において必ず発生する業務ですが、この退去立ち会いを外注する管理会社が増えています。コスト削減に繋がる一方で、入居者との接点がなくなる。といったデメリットも生まれています。そこで、退去立ち会いに関するアンケートを実施しました。各社の状況を解説します。

 

自社率46% 完全に外部移行は19%に留まる

原状回復2306_P1.JPEG

※5月25日 賃貸トレンドニュース視聴者アンケートとして実施(157人回答)

 退去立ち会いを誰が行っているかについてのアンケートを実施したところ、46.5%が自社スタッフ、29.9%が自社・外部を併用、19%が外部のみ、4.5%が立ち会いを行っていない。との回答が得られました。外注化している会社も少なからず出てきている一方で、管理戸数の多い会社などは、まずは自社と外注で両立させつつ、徐々に外注の割合を増やしていくフェーズにあるようです。

【外注】コスト削減が最大のメリット 遠方物件などは全て外注

 外注化を進めている企業に、その意図とメリットを取材しました。9000戸を管理する貝沼建設(愛知県名古屋市)では、月平均100件の退去立会のうち9割以上を外注化しています。その理由はコスト面。立ち会い業務のために遠方まで社員を送り出せないこと。1万2500戸管理するブルーボックス(愛知県稲沢市)でも、積極的に外注を進めています。退去立ち会い点検に関するチェック技術や、入居者への説明・説得などのスキルを社内で浸透させられる体制作りが難しい。などが理由となっていました。これらが、退去立ち会いを外注化する各社の狙いとメリットでした。

【自社】一気通貫でスムーズに対応可能 他事業の売上に貢献

 一方で、内製化にはどんなメリットがあるでしょうか。2170戸を管理するウィズコーポレーション(愛知県清須市)では、元々外注化していた退去立会を内製化に戻しているようです。現在はリフォーム部門の2名が専門に行っています。同社のリフォーム部門で原状回復工事を行うため、コミュニケーションが取りやすい。といった理由です。同社は4年前にリフォーム部門を設立し、現在はリフォーム事業の売上を伸ばしています。そのため、一気通貫で行える内製化に舵を切っています。

 また、京都府の管理会社でも退去立ち会いは全て自社スタッフで行っています。理由は、入居者の生の声を拾うため。退去立ち会いを通じて物件の感想や不満を直接聞き出すことで、次のリノベーション提案のアイデアとしているそうです。高い入居率を保つために、退去立会のコストをかけてでも入居者とのコミュニケーションを大切にする姿勢を貫いていました。

関連記事
第一ハウジング 加藤豊社長 入居率95%超の管理力に強み
高山不動産、立ち会い不要で業務効率化
賃貸管理のアウトソーシング特集~前編~

 取材を通して、退去立ち会いの自社化、外注化については各企業の管理戸数や、工事部隊を持っているか。といった部分が主な分岐点となっていました。広いエリアで戸数を持っていると外注化する傾向にあり、退去~施工~入居募集まで自社内で完結できる場合は内製化する管理会社が多くありました。これらの状況を各社が改めて見直しながら、効果的な業務改善につなげることが重要です。

検索

アクセスランキング

  1. 大手不動産会社で入社式

    レオパレス21,大東建託グループ,ハウスメイトパートナーズ,APAMAN(アパマン),常口アトム,武蔵コーポレーション,TAKUTO(タクト),三好不動産

  2. ビューン 大石隆行社長 電子書籍読み放題、13万戸に

    【企業研究vol.246】ビューン

  3. 戸建て賃貸強みに売上33億円【上場インタビュー】

    東日本地所

  4. 不動産業アワード、10社が受賞【クローズアップ】

    国土交通省

  5. 供給増えるZEH ハウスメーカーの最新動向を紹介

    三菱地所レジデンス,ミサワホーム,大和ハウス工業

電子版のコンテンツ

サービス

発行物&メディア

  • 賃貸不動産業界の専門紙&ニュースポータル

  • 不動産所有者の経営に役立つ月刊専門誌

  • 家主と賃貸不動産業界のためのセミナー&展示会

  • 賃貸経営に役立つ商材紹介とライブインタビュー

  • 賃貸管理会社が家主に配る、コミュニケーション月刊紙

  • 賃貸不動産市場を数字で読み解く、データ&解説集

  • RSS
  • twitter

ページトッップ