電子雑誌・漫画の配信サービスを手がけるビューン(東京都千代田区)は2017年6月より、集合住宅向け電子雑誌・漫画読み放題サービス「ビューン読み放題マンション」を提供している。22年12月末時点で約10万戸だった導入戸数は23年9月末時点で12万戸を超え、順調に導入戸数を伸ばしている。導入戸数のうち9割は賃貸物件だ。
提供方法の多様化図る
主としてISP(インターネット接続事業者)の接続サービスの一部として提供を行っている。入居者は同サービス導入物件のインターネットに接続すると、ウェブブラウザーでコンテンツを閲覧することができる。コンテンツ数は雑誌800誌、漫画5万冊。月間PV(ページビュー)は約450万、ユーザー数は約3.7万だ。利用料は物件の戸数によって異なるため、都度見積もりが必要となる。
今後はISP以外の入居者向けサービス提供事業者との連携も進めていく方針だ。21年4月には大阪ガス(大阪市)と提携し、スマートロックなどの賃貸集合住宅向けサービスとセットでの提供を開始。同年5月からはGoldKey Co.,Ltd(ゴールドキーカンパニーリミテッド:愛知県名古屋市)ら入居者向けアプリ提供事業者との提携を始めた。23年10月には、賃貸住宅の開発・管理などを行うガーネット(京都市)の所有物件の入居者向け「LINE」アカウントを経由して、同サービスの提供を開始する予定だ。転居後もガーネットの管理物件に入居すればサービスを使い続けられることから、入居者の囲い込みを狙って導入に至ったという。
ビューンの法人事業開発部の石井裕介部長は「ISPはもちろん、入居者向けサービスを提供する会社と幅広く協力してビューン読み放題マンションを普及させていきたい」と話す。
(2023年10月2日8面に掲載)