IoT機器の開発・販売を行うセキュアリンク(大阪府豊中市)は18日、Wi‐Fiの電波を使った高齢者見守りサービス「CareSense(ケアセンス)」の販売を開始した。
呼吸など小さな動きも検知
部屋の数カ所に専用端末を設置することで、入居者の動きや睡眠時の呼吸を検知する。検知データは管理者用システムに集約され、入居者の在宅・不在や睡眠のリズム・質の評価を一覧で把握することができる。
設置するためには電源とWi‐Fi環境が必要だ。睡眠時の呼吸を検知する場合は、ベッドを挟むように2台の端末を設置する。1LDKの部屋であれば、ベッドまわりを含め2台から3台程度の設置が目安。月額利用料は端末2台までは1部屋2178円(税込み)だ。契約時には1部屋5万円(非課税)の保証料がかかる。
入居者のプライバシーを守りながら、ベッドセンサーと比べて安価に睡眠時の呼吸のような細かい動きを検知できる点が特長だ。介護施設で巡回の頻度を減らしたり、サービス付き高齢者向け住宅で入居者の在宅・不在を把握したりといった活用方法を想定する。
8月4日から開始した先行見積もりには、22日時点で13件の問い合わせがあった。詳細な見守りにより、他社との差別化を目指すサービス付き高齢者向け住宅からのものが多いという。
同サービスの導入を収益にもつなげられるよう、離れて暮らす家族向けに月1回程度入居者の活動状況のレポートを送る機能も開発中だ。藤本典志社長は「一般の賃貸住宅でも採用してもらえるように機能や提供方法の調整を続け、少しでも高齢単身者の孤独死を減らしたい」と話す。
(2023年9月18日9面に掲載)