情報面で不動産会社をフォロー
賃貸住宅に住みたいと考える高齢入居者が増えている。
自宅を所有していても、配偶者が亡くなると、広すぎる家をもてあまし、コンパクトな賃貸住宅へ転居したいと考えるケースや、独り身となった親を心配して、子どもたちが自身の家の近所に呼び寄せるケース、さらに、サービス付き高齢者住宅から住み替えるケースなどが出てきているのだ。
そんな中、65歳以上の高齢者を対象とした部屋探しサイト「R65不動産」を今年5月に立ち上げた青年がいる。
R65不動産(東京都港区)の山本遼代表だ。
弱冠25歳の山本代表は、「自分が将来65歳になったときに、あったらいいなと思い、つくりました」と同サイトを立ち上げた理由を話す。
同サイトは、「第2の人生きっかけメディア」をコンセプトに物件情報の掲載の他に、高齢者の部屋探しの事例やニュースなども発信している。
同社では基本的には、提携不動産会社の物件募集の情報的フォローをするのが主な業務内容だ。
同サイト開設の大きなきっかけになったのは、独立前の不動産会社で接客した高齢者だった。
80代の女性と娘が部屋探しをしていた際に、「このお店で5軒目です」と言って来店したのだという。
接客した山本代表は、いわゆる「鬼電」で何店舗も不動産会社に電話し、来店者の希望条件と合う物件で、高齢入居者が可能かどうか、次々に確認した。
「断られるケースが多くて、これほどまでに高齢入居者の部屋探しが大変なのか、と改めて思いました」(山本代表)
この80代女性は、最初の来店から3週間後に契約する部屋が決まった。
だが、山本代表はこの経験を経て、高齢入居者の部屋探しの環境をもっと良くしたいと考えたのだという。
「今後も提携不動産会社を増やして、高齢者のお部屋探しのサポートをしていきたいです」と山本代表は熱く語った。