アンビションDXホールディングス(以下、アンビション:3300:東京都渋谷区)。都内を中心に借り上げた居住用不動産を転貸するサブリースが主体。2007年に現社長の清水剛氏が設立。
アンビションに興味を抱いたのは「07年9月」という、世界不況を招いたリーマン・ショックの真っただ中で興された企業である点。そしてそんなさなかにあり、1期目は5億円、2期目は10億円の売上高を計上したと知ったからだ。
清水社長は、大学卒業後に大手賃貸不動産会社に入社。1年目でナンバーワンの営業社員となり、それ以降、過去の営業記録を次々と塗り替え、05年には営業部長になった。資質は否定できない。しかし、それだけでリーマン・ショックの時期に、倍々ゲームの伸長が果たせるはずはない。
そのあたりの「理由」を清水社長は「ベンチャー通信(09年11月号」で、「競合他社との差別化に成功したため」とし、具体的にこう語っている。
「店舗デザインについて、大手賃貸不動産会社の店舗は、柔らかいポップな色調が多い。幅広い年齢層を狙った結果。当社は20~30代をコアターゲットに設定しており、高級感のあるブラックに統一。店舗(現在は東京都・神奈川県・埼玉県に計18店)内はダイニングバーやブティックのような洗練された空間で、不動産店のイメージとは全く違う」「人気商品は『オールゼロプラン』。敷金、礼金、保証金、仲介手数料ゼロで物件を紹介。これが大ヒット」と、納得させられた。