移住者向けに賃貸供給
人口約500人の山梨県丹波山村を拠点とする梅鉢不動産は、独自の空き家活用施策を実施している。同社は空き家のリフォームをせず、入居者が自由に改修できるDIY前提の現状貸しが特徴だ。4月末時点で、空き家20戸を所有・活用している。
丹波山村で、唯一不動産業を営む同社の従業員は2人。空き家活用を主としている。物件の多くは築30年から70年となる。空き家の仕入れは、利用希望者からのニーズの有無を判断の基準にする。
特徴はリノベーションを自社で行わず、法的手続きや残置物撤去のみを行う。撤去費用を抑えるため、大学生のボランティアや地域のシルバー人材センターと連携し、回収した不用品をフリマアプリ「メルカリ」で販売する。メルカリでの売り上げは月間で20万〜30万円となり、撤去コストの削減につながっている。不用品のうち、昭和時代の漫画や着せ替え人形、昔のお菓子の景品などが高値で売れているという。
大学生や地域住民による残置物撤去している様子
同社が拠点とする丹波山村は、宝島社が発行する月刊誌の企画「住みたい田舎ベストランキング」の「若者世代・単身者部門」において、2年連続でランクインを果たすなど移住希望者からの需要が高い地域だ。しかし、受け皿となる村営住宅をはじめとする賃貸住宅約200戸は、常に満室で住宅不足が課題となっている。
2025年10月からは東京都奥多摩町にも進出し、現在は山梨県内を含む計8市町村で空き家活用の事業を展開する。奥多摩町では空き家を借り上げたうえで転貸するサブリース手法を主とし、DIYを前提としたリフォームやリノベーションを行わない現状のままを提供し、低賃料を実現している。
梅原颯大社長は「地方では相続されないまま放置されている物件も多いが、地域のキーマンと連携することで所有者からの空き家相談につなげている。残置物撤去などでは、地域の会社や住民を雇用し、地域に還元していきたい」と話す。
さらに現場の体感として「コインランドリーや民泊など、空き家を活用したいという声は非常に多いが、それに対する供給が圧倒的に不足している」と話す。
同社は今後も、人口2万人以下のエリアを中心に、こうした潜在需要に応える事業を展開していく考えだ。
梅鉢不動産
梅原颯大社長
(2026年5月18日4面に掲載)





