仲介手数料無料スキームが争点 NPOと投資・起業家ユーチューバー発仲介会社が対立 

NPO法人消費者たすけ隊,リベ大不動産,かける法律事務所

事件|2023年04月08日

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たすけ隊に送られてきた通知書の一部

 年間1500件以上の賃貸契約に関する相談を受け付ける「賃貸トラブルたすけ隊」を運営するNPO法人消費者たすけ隊(以下、たすけ隊:沖縄県那覇市)と、賃貸仲介を行うリベ大不動産(以下、リベ大:大阪市)は、仲介手数料無料ビジネスを巡って紛争状態となっている。仮に訴訟まで発展すれば、仲介手数料無料ビジネスのスキームの是非が問われる裁判となりそうだ。

ポータル掲載情報の流用争点

 たすけ隊は2月21日付けと3月7日付けの2回、リベ大の代理人弁護士から通知書を受領した。たすけ隊は、1月31日にSNSでリベ大が行う仲介手数料無料スキームに言及し、非難した。

 リベ大は、ポータルサイトに他社が出稿した物件情報を入居希望者に提供させ、広告費が得られる物件であれば仲介手数料無料で、広告費が得られない場合は賃料の0.3カ月分の仲介手数料で物件を紹介している。

 たすけ隊は同スキームを「広告ヌキ行為」として、ポータルサイトの著作権を侵害する違法行為であると主張する。

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 その一方、リベ大側は、通知書の中で、ポータルサイトに他社が掲載していた物件の仲介と、物件掲載ページのURL提供を受けたことを認めつつも、同行為は何ら法律に違反するものではないと主張。たすけ隊が行ったツイートの削除と謝罪、損害賠償として100万円の支払いを求めている。

 たすけ隊の島袋雅功代表理事は「実際に訴訟を起こされれば、言論封殺目的の訴訟であるため、反訴する。今後もリベ大の動向を発信していく」とコメントした。

 リベ大は、「ユーチューブ」などで投資や節約にまつわる情報を提供するインフルエンサー「両@学長」が発起人となり設立した不動産会社。同社は、全国賃貸住宅新聞の取材に対し「回答しかねる」と答えた。代理人を務める、かける法律事務所(大阪市)からは、期日までに回答を得られなかった。

(2023年6月28日追記)

 なお、本記事にある2023年1月31日のたすけ隊のSNSでの主張について、リベ大はSNS運営会社に対し、同内容が事実でないとして東京地方裁判所に仮処分手続きを申し立てた。その後、たすけ隊の当該投稿の削除を命じる仮処分決定が出されている。

 

(2023年4月10日1面に掲載)

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