島根県浜田市は保有する団地の売却を決定した。4月3~28日に、入札への参加申し込みを受け付ける。入札は6月5日の予定だ。
入札で購入者を募集予定
今回売却するのは同市が2010年度に国より購入した四つの団地。1971年から90年にかけて建築されたもので、すべてRC造5階建て。1棟あたり40戸の計320戸で、間取りは2Kから3DKだ。1団地あたり2棟で、入居率は「小福井団地」が85%、「内田団地」が58.7%、「国府団地」が58.7%、「金城団地」が40%だ。家賃は入居年数によって異なるが、1万5200~4万3500円。
小福井団地は間取りが2Kとほかの団地より狭く、家賃も安価だ。そのため、入居者は単身者が多く、入れ替わりも多い。そのほかの団地ではファミリーや、子どもが独立した後の家庭がメインだ。また、家賃収納率もよく、22年度には100%の物件もあったという。年度をまたいだ滞納など、長期滞納もない。
四つの団地は、国から10年間は公共の施設として管理することを条件に、合計約2億2000万円で購入。本来は20年度末に売却予定だったが、入居者への周知・広報が間に合わず、今回のタイミングとなった。
売却にあたり、同市は以下の四つの条件を設ける。「家賃は10年間据え置き」「原則10年間の転売禁止」「4団地一括での購入」「3年にさかのぼり、1000戸以上の管理実績を持つ事業者」。最低入札価格に関しては不動産鑑定評価を基に算出する予定だ。
「入居者にはなるべく手厚い対応をしたいと思い、10年間の家賃据え置きという条件を設定した。売却に向けて、各戸に希望修繕箇所のアンケート調査を行い、小規模修繕を順次実施していく」と都市建設部建築住宅課の下野貴志住宅管理係長はコメントした。
(2023年3月27日3面に掲載)