2年間空室のオフィスを防音賃貸に改修
2016年12月20日 | リノベーション
オフィスとして使われていた物件を、楽器演奏が可能な住居『音楽のいえ+』にコンバージョンしたところ、周辺より2割高い家賃でも全7戸が満室になった。
賃料収入は合計80万円で、以前の1.8倍に増えた。
手掛けたのはシェアハウスの企画を行うRバンク(東京都渋谷区)だ。
物件が立つのは東京メトロ千代田線「西日暮里」駅徒歩7分。
築48年5階建てRC造の2階部分だ。
入居が決まらず2年間空いていた300㎡のオフィス1フロア分を住居に転用した。
改修に当たり欠点となったのは日当たりだった。
普通のコンセプトでは入居者を獲得しづらいと判断したため、東京音楽大学が近い立地を生かすことにした。
音楽家や音大生、音楽が趣味の社会人をターゲットに、楽器演奏可能物件にしたのだ。
25㎡の1K6戸はそれぞれ65dBの遮音性を持ち、朝8時から夜11時まで楽器演奏が可能だ。
さらに唯一2Kの間取りの部屋は、一室がほかの居室と同じく65dBの遮音性があり、もう一室はさらに防音性が高く、24時間いつでも楽器を演奏できる。
エントランスを入ってすぐ右手にはパーティーを開くことができる18畳程の共用リビングを作った。
共通の趣味を持つ入居者同士が交流を深め、長期入居につなげる狙いがある。
賃料は9万4000~14万5000円。
リノベーションにかけた金額は約5500万円だ。
実際に入居したのは20~30代の単身の社会人。
騒音問題で転居してきた入居者からは「夜まで楽器を弾けるので助かる」という声があるそうだ。