漆喰と無垢材で2年間の空室を解消/丸山保博建築研究所
2013年09月05日 | リノベーション
空室が約2年も続いた物件がリノベーション後すぐに成約した。
JR中央線「高円寺」駅より徒歩10分のワンルーム物件。
丸山保博建築研究所(東京都杉並区)の丸山保博代表は、「入居する人に、今の社会・日常の煩わしいことを忘れてもらえるような空間をイメージしました」と話している。
漆喰(しっくい)と無垢材(むくざい)を多用し、自然の中にいるような空間の演出にこだわった。
賃料は3000円アップの7万7000円。単身者をターゲットとした。
成約の決め手は、室内の素材と広さだ。
床は無垢材、壁・天井は白の漆喰に変えた。
「漆喰は、セメントやペンキよりも人間の目にやさしいことが科学的に立証されています」(丸山代表)
また、室内のコーナーに丸みを出すことで、視覚的に空間を広く見せることにも成功している。
「国宝の茶室『待庵』の床の間を参考にしました。コーナーに丸みを持たせるのは、室内を広くさせるためだけでなく、感覚的に親しみをもたせる効果も期待できるのです」(丸山代表)
玄関前には、簡単な間仕切りを設置した。
枠は木材だが、中はくもりガラスになっている。
「ワンルームなので、玄関から室内が見えないようプライバシーに配慮しました」
その他、水回りの設備・スペースを拡充した。
部屋は9畳から6畳へ縮小したが、「実際の広さより広々として見える」と入居者がコメントを残したという。
工事費は約200万円。
完成後、20代の男性単身者が1カ月以内に成約したという。