全国世帯のおよそ3割がペットを飼う時代になった。市場が拡大するなか、ペット世帯を取り込もうとする賃貸住宅も増えつつある。
しかし「設備だけそろえても入居者満足度は上がらない」と警告するのは、ペット共生住宅の建築コンサルティングを手がけるアニドック・野中英樹社長だ。
獣医師監修による住まいの設計から管理規約の作成、入居後サービスまで展開する野中社長に、ペット共生住宅の現状と展望を聞いた。
拡大する市場見据えサービスを拡充
亀岡 13年前にお会いしていますね。
野中 お元気そうで何よりです。当時と社名が変わりましたが、創業当初から一貫してペット共生住宅の建築コンサルティングなどを手がけております。
亀岡 賃貸住宅でもペットを飼う人が増えていると聞きます。
野中 今では日本の3割の世帯がペットを飼っているといわれています。創業当初は6500億円だったペットビジネス市場が、いまや1兆7000億円まで大きくなっています。ペットを飼う世帯は増えていますが、一方で、しっかりとした環境が整えられているかというと十分ではありません。専用の設備を取り入れただけで「ペット共生住宅」とうたっているところもありますが、ハードだけではなく、入居後のサポートや管理規約、飼う側のリテラシーも含めて考える必要があります。
アニドック株式会社
野中 英樹 社長
1964年鹿児島県生まれ。94年、アドホック(現・西武ペットケア)を設立。ペット共生集合住宅を特許ビジネスモデル化し、ハウスメーカーやゼネコンに提供するライセンス事業などを展開する。 その後、2006年創業のペイクで数多くのペット関連商品をプロデュース。15年7月に動物病院および往診獣医ネットワークのビジネスモデルを構築し、動物医療×ITをモットーにアニドックを設立。
- アニドック株式会社
- 本社所在地 : 東京都渋谷区広尾1-9-15 広尾宮田アネックスビル6階
- 設立 : 2015年7月21日 資本金 : 1000万円円
- 事業内容 : 動物病院直営事業&フランチャイズ事業、往診動物病院直営事業&ネットワーク事業、ペット保険代理店業、Peiku Magazin広告総代理店事業、ペット関連企業サポート事業
経済評論家 亀岡 大郎 氏
大正15年京城生まれ。新大阪新聞経済部長を経て、経済評論家となる。文藝春秋、サンデー毎日など一流紙で、経済・財界問題を中心に、精力的な活動を続ける一方で「自動車戦争」「ゲリラ商法」「IBMの人事管理」などベストセラー多数。