仲介業務は楽できる？アウトソーシングサービスまとめ
商品|2023年07月18日
不動産業界が抱える慢性的な人材不足から、業務の一部をアウトソーシングする企業が増えています。近年では、様々な代行サービスが台頭しているため、要望に合わせて委託することが可能となりました。今回は、賃貸仲介業に焦点を当てて、現行のサービスの中でどこまで業務が代行可能なのか、調べました。
【目次】
①賃貸仲介の業務一覧
②代行可能な仲介業務とサービス
・物件撮影、間取り作成
・物件情報の入力
・集客、顧客の送客
・内覧
・重説、契約
③まとめ
賃貸仲介の業務一覧
まず、賃貸仲介の業務を大まかに分けてみました。賃貸仲介は客付けが主な業務内容となります。空室の確認から集客、顧客対応、契約、鍵渡しという順に進んでいきます。これらの業務を、仲介営業マンが1人で行うこともあれば、分担制で動くケースもあり、仲介会社毎に働き方が異なりますね。
代行可能な仲介業務とサービス
では、これらの仲介業務は、どこまで代行可能なのでしょうか。サービスの紹介を中心に説明していきます。
①物件撮影、間取り作成
Live Sarch/空室物件の撮影代行サービス「Live Sarch」
Live Sarchは、Webで物件情報を入力するだけで、プロのカメラマンが物件写真・間取り図をワンストップで提供するサービスです。不動産管理会社が今まで撮影業務に費やしていた時間の削減や、プロが撮影した写真によるエンドユーザー・不動産仲介会社への空室アピールをより効果的にし、入居率アップが期待できます。物件写真の撮影以外にも360度パノラマVRの撮影や、業界初のコンセントの位置情報や寸法情報付きの間取り図の提供も可能となります。
カラーアンドデコ/空室デザインサービス「バーチャルインテリア」
カラーアンドデコ(東京都港区)では、既存の物件写真にインテリアを配置できるサービスを提供しています。実物の家具を配置するホームステージングの場合、時間とコストが必要ですが、同サービスを利用することで簡単に空室の演出が可能です。
アイデアル/物件撮影代行サービス「物件ストック」
アイデアル(東京都大田区)は、不動産物件の撮影代行を行っています。2018年11月より600棟1500室以上へ撮影サービスを提供。物件撮影に特化したカメラマンが質の高い写真を撮影します。ポータルサイトや自社ホームページへ掲載する写真の充実性を図ることが狙いです。
ミュールズ/間取り図作成代行サービス
ソフトウェア開発事業を手掛けるミュールズ(東京都港区)は、不動産会社向けの間取り図の作成代行業務を請け負っています。ポータルサイトへの掲載・マイソク・チラシに必要な間取り図を作成。料金の安さもサービスの特徴です。
②物件情報入力
WANNAGROW/入力姫
WANNAGROW（ワナグロウ：東京都文京区）は、2012年4月から不動産会社の自社ホームページや各種ポータルサイトへの物件情報の入力代行を行うサービス『入力姫』を提供しています。物件入力のマニュアルをポータルサイトごとに作成し、1週間の研修期間を設けスタッフの教育を行っています。そのため、ただ入力をするだけではなく、効果の最大化が期待できるサービスです。
③集客、顧客の送客
mediclo/ タダスム
メディア運営を行うmediclo(メディクロ:東京都大田区)が運営する物件問い合わせサイト「タダスム」は、仲介事業者が集客の手段の一つとして利用するサービスです。入居希望者が、ポータルサイトで条件に合う物件を探し、タダスム内の「LINE」に該当の物件情報URLを貼り付け問い合わせを行います。獲得した顧客は、該当物件があるエリアごとに問い合わせを誘導し、そのエリアの仲介事業者に送客する流れとなります。
Roombox/Roombox
Roombox（東京都渋谷区）では、SNSを活用した顧客の送客サービスを展開しています。InstagramやYouTube、TikTokなど、各メディアで物件の内覧動画を投稿することで反響を獲得します。その後、部屋探しの意欲が高いユーザーを商談設定の上で仲介業者に引き渡します。
④内覧
セールスアウトソーシング／物件の内見アテンドサービス
人材派遣業を手掛けるセールスアウトソーシング（東京都新宿区）は、1都3県を対象に繁忙期の物件の内見アテンドサービスを提供しています。あらかじめ鍵を手配し物件現地での待ち合わせや、電車などを利用して店舗から複数物件の案内にも対応しています。内見終了時には不動産会社へ連絡し、物件申し込み手続きは不動産会社で対応する流れです。
クラスコ/タクシー会社と提携
クラスコ(石川県金沢市)は、主に繁忙期の人手不足解消のためタクシー会社と提携しています。タクシーで物件まで顧客を送迎し、顧客が自分で希望の部屋を見ることができます。現在は2社のタクシー会社と提携し、基本的には内見前日までに店舗ごとに店長の裁量で予約。当日でも電話で確認し、時間が合えば利用しているそうです。
⑤重説・契約
第一不動産/ギグワーカーがIT重説
第一不動産(静岡市)では、契約した顧客に対する重要事項説明をアウトソーシングし、業務の効率化を図っています。顧客がIT重説を希望した場合は、すべて委託先のスタッフが担当。その件数は全契約数の9割に上るそうです。
まとめ
オンライン仲介やSNS集客、VR内覧など、賃貸仲介を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。全てを社内完結するよりも、最新のニーズに合わせたサービスを柔軟に利用することも、仲介事業の最大化を図るうえで重要な考え方の一つではないでしょうか。
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