パネルを現場に運び込んでいる様子
コンクリート製品の開発と販売を行うコンクレタス(大分市)は、RC造の住宅供給を推進している。RC造の施工経験がない工務店でも施工ができるよう、現場で組み立てるプレキャストコンクリート工法の住宅躯体を、OEM(相手先ブランドによる生産)で供給開始した。RC施工の難易度を下げ、現場での人手不足や技術力などの問題の解消を目指す。
現場で組み立て 施工容易に
「エコキャスト」は、コンクレタスが独自に開発した住宅躯体だ。プレキャストコンクリート工法を採用しているのが特徴。事前に工場で部材を製造することより品質が安定しており、短工期での施工が見込める。工場で製造した部材を現場で組み立てるため、現場の職人の技術によらずに物件を建築できることも、同工法のメリットだ。一般住宅に特化し工務店やゼネコン向けの商品として供給する。
3月に商品化し、これまでに40件の問い合わせを得た。床、壁に加え、基礎の立ち上がり部もプレキャスト化されており、防災性と断熱性に優れたコンクリート住宅の建設が可能だという。一辺80m、最大で5階建ての集合住宅の建築に対応する。
池永征司社長は「プレキャストコンクリート工法は、RC造の難易度を下げて、人手不足や技術不足をカバーする。現場でコンクリートを打つ場合に生じる、型枠を正確に造ったり鉄筋を正確に組んだり、生コンクリートを打設する際の充填(じゅうてん)技術などが不要になる」と説明する。
工期は、通常のRC造に比べて半分以下に短縮できる計算だ。1フロア100〜200㎡の2階建ての集合住宅であれば、3〜4週間程度で完成させることができる。躯体の組み立てや、ジョイント金具メーカーも含めた施工のサポートも行う。
